最終更新: 2020年3月19日



テキスト:yabori 撮影:Daisuke Miyashita

自主企画“首”の東京公演2日目。初日はTAWINGS、Klan Aileenを迎えて開催されたが、今回は海外を中心に活動するへヴィーロックバンドBorisを迎えて行われた。海外でも活躍するバンドが出演するとあり、外国からの観客も少なくない。両者はスプリット盤『unknown flowers』をリリースした直後のタイミングというのもあり、新曲がライブでどのように再現されるのか期待がかかる。

自主企画“首”の東京公演2日目。初日はTAWINGS、Klan Aileenを迎えて開催されたが、今回は海外を中心に活動するへヴィーロックバンドBorisを迎えて行われた。海外でも活躍するバンドが出演するとあり、外国からの観客も少なくない。両者はスプリット盤『unknown flowers』をリリースした直後のタイミングというのもあり、新曲がライブでどのように再現されるのか期待がかかる。

Borisの演奏後、THE NOVEMBERSが登場。ヘビーナンバーで迎え撃つのかと思いきや、演奏されたのはなんと「終らない境界」。スローナンバーでじっくりと自分たちのペースに観客を巻き込んでいく。演奏途中でケンゴマツモトの鍵盤アレンジもあり、この日の為に練り上げてきたことが伺える。丁寧に一曲を演奏し終えた後、続いて同じアルバム『To (melt into)』より、「永遠の複製」を披露。この2曲はここ最近のセットリストでは珍しい選曲で、こういった曲を楽しめるのが“首”の魅力の一つとも言えるだろう。ここから演奏は熱量を帯び、歪みが強調されたいわゆる“爆音モード”に突入する。

Borisの演奏後、THE NOVEMBERSが登場。ヘビーナンバーで迎え撃つのかと思いきや、演奏されたのはなんと「終らない境界」。スローナンバーでじっくりと自分たちのペースに観客を巻き込んでいく。演奏途中でケンゴマツモトの鍵盤アレンジもあり、この日の為に練り上げてきたことが伺える。丁寧に一曲を演奏し終えた後、続いて同じアルバム『To (melt into)』より、「永遠の複製」を披露。この2曲はここ最近のセットリストでは珍しい選曲で、こういった曲を楽しめるのが“首”の魅力の一つとも言えるだろう。ここから演奏は熱量を帯び、歪みが強調されたいわゆる“爆音モード”に突入する。

4曲目にはスプリットから新曲「Journey」が披露された。今回のスプリット盤ではそれぞれが書き下ろした新曲をどちらも演奏し、どちらが原曲なのかを公表しないというユニークな試みをしているそうだ。つまり今、まさに演奏されている「Journey」はどちらが書いた曲なのか分からない状態で観客は聴くことになる。ボーカルにエフェクトをかけているのが特徴的なグランジロックど真ん中の曲であるが、リズムパターンはどこかレディオヘッドを思わせる部分があった。これがTHE NOVEMBERSの曲かと言われれば頷けるし、Borisの曲と言われても違和感はない。ライブで味わうことのなかなかない何とも奇妙な体験になった。

観客が拍手するも彼らが手を緩めることは一切なく「あなたを愛したい」を演奏後、スプリットから2曲目「ひとつにならずに」が始まった。前述したとおり、この曲もどちらが原曲か分からないのだが、もし彼らの曲であるなら珍しくダークなダンスビートが前面に出ており、これからの新機軸となり得る曲に仕上がっていた。どちらのバンドが原曲か分からないという仕組みは、両者とも思い切り今までにない引き出しを開けることができるということなのではないか(相手の音像をイメージすることで、逆に発想が狭まる可能性もあるが)。そういう意味で今回の試みは作り手にとって貴重な経験になったのかもしれない。

定番曲となった「鉄の夢」が始まる頃には、ライブが終盤に差し掛かっている事を予感させた。敬愛するBorisの手前、いつも以上に歪みを強調させているのが印象的だった。今日の物販ではイヤーマフを貸出しているほど音圧にはすさまじいものがあり、実際に筆者も2日間は耳鳴りがするほど強烈だった。「黒い虹」で一度幕引きとなり、THE NOVEMBERSの4人とBorisからAtsuoが登場した。これから1曲コラボすると告げられ、厳かに「Gilmore guilt more」が始まった。サイケデリックなイントロに合わせて、Atsuoがノイズを乗せ聴いたことのない曲へと変わっていくのが印象的で、今日しか見られない貴重な瞬間であった。

スプリット盤をリリースし、尊敬するアーティストを迎え、2日連続公演となったのが影響したのだろうか、もったいなかったのがセットリスト後半はややメリハリに欠け、スプリット曲を演奏することに意識を向け過ぎたのではないかという印象を受けた。前日のセットリストを見ると、ミドルテンポの曲が中心だったこともあり、昨日と今日のライブを通しで見て初めてバランスがとれるという考えだったのだろうか。とは言うものの新機軸となりそうな曲もあり、彼らがこれからどのような作品を作っていくのか、また11月11日のワンマン公演はどのようなものになるのか楽しみだ。

【Set List】
2018年10月11日@代官山 UNIT
1.終わらない境界
2.永遠の複製
3.出る傷を探す血
4. Journey
5.あなたを愛したい
6.ひとつにならずに
7.鉄の夢
8.Ghost Rider
9.黒い虹
En.Gilmore guilt more(with Atsuo Boris)

【Live】
・2018/11/11(Sun)@恵比寿LIQUIDROOM
November Spawned A Monster(ONEMAN GIG)

・2018/12/7(Fri)@品川教会グローリアチャペル
「HOLY」THE NOVEMBERS Live at Shinagawa Gloria Chapel



テキスト:yabori 撮影:Daisuke Miyashita

自主企画“首”の東京公演2日目。初日はTAWINGS、Klan Aileenを迎えて開催されたが、今回は海外を中心に活動するへヴィーロックバンドBorisを迎えて行われた。海外でも活躍するバンドが出演するとあり、外国からの観客も少なくない。両者はスプリット盤『unknown flowers』をリリースした直後のタイミングというのもあり、新曲がライブでどのように再現されるのか期待がかかる。

Borisの演奏後、THE NOVEMBERSが登場。ヘビーナンバーで迎え撃つのかと思いきや、演奏されたのはなんと「終らない境界」。スローナンバーでじっくりと自分たちのペースに観客を巻き込んでいく。演奏途中でケンゴマツモトの鍵盤アレンジもあり、この日の為に練り上げてきたことが伺える。丁寧に一曲を演奏し終えた後、続いて同じアルバム『To (melt into)』より、「永遠の複製」を披露。この2曲はここ最近のセットリストでは珍しい選曲で、こういった曲を楽しめるのが“首”の魅力の一つとも言えるだろう。ここから演奏は熱量を帯び、歪みが強調されたいわゆる“爆音モード”に突入する。

4曲目にはスプリットから新曲「Journey」が披露された。今回のスプリット盤ではそれぞれが書き下ろした新曲をどちらも演奏し、どちらが原曲なのかを公表しないというユニークな試みをしているそうだ。つまり今、まさに演奏されている「Journey」はどちらが書いた曲なのか分からない状態で観客は聴くことになる。ボーカルにエフェクトをかけているのが特徴的なグランジロックど真ん中の曲であるが、リズムパターンはどこかレディオヘッドを思わせる部分があった。これがTHE NOVEMBERSの曲かと言われれば頷けるし、Borisの曲と言われても違和感はない。ライブで味わうことのなかなかない何とも奇妙な体験になった。

観客が拍手するも彼らが手を緩めることは一切なく「あなたを愛したい」を演奏後、スプリットから2曲目「ひとつにならずに」が始まった。前述したとおり、この曲もどちらが原曲か分からないのだが、もし彼らの曲であるなら珍しくダークなダンスビートが前面に出ており、これからの新機軸となり得る曲に仕上がっていた。どちらのバンドが原曲か分からないという仕組みは、両者とも思い切り今までにない引き出しを開けることができるということなのではないか(相手の音像をイメージすることで、逆に発想が狭まる可能性もあるが)。そういう意味で今回の試みは作り手にとって貴重な経験になったのかもしれない。

定番曲となった「鉄の夢」が始まる頃には、ライブが終盤に差し掛かっている事を予感させた。敬愛するBorisの手前、いつも以上に歪みを強調させているのが印象的だった。今日の物販ではイヤーマフを貸出しているほど音圧にはすさまじいものがあり、実際に筆者も2日間は耳鳴りがするほど強烈だった。「黒い虹」で一度幕引きとなり、THE NOVEMBERSの4人とBorisからAtsuoが登場した。これから1曲コラボすると告げられ、厳かに「Gilmore guilt more」が始まった。サイケデリックなイントロに合わせて、Atsuoがノイズを乗せ聴いたことのない曲へと変わっていくのが印象的で、今日しか見られない貴重な瞬間であった。

スプリット盤をリリースし、尊敬するアーティストを迎え、2日連続公演となったのが影響したのだろうか、もったいなかったのがセットリスト後半はややメリハリに欠け、スプリット曲を演奏することに意識を向け過ぎたのではないかという印象を受けた。前日のセットリストを見ると、ミドルテンポの曲が中心だったこともあり、昨日と今日のライブを通しで見て初めてバランスがとれるという考えだったのだろうか。とは言うものの新機軸となりそうな曲もあり、彼らがこれからどのような作品を作っていくのか、また11月11日のワンマン公演はどのようなものになるのか楽しみだ。

【Set List】
2018年10月11日@代官山 UNIT
1.終わらない境界
2.永遠の複製
3.出る傷を探す血
4. Journey
5.あなたを愛したい
6.ひとつにならずに
7.鉄の夢
8.Ghost Rider
9.黒い虹
En.Gilmore guilt more(with Atsuo Boris)

【Live】
・2018/11/11(Sun)@恵比寿LIQUIDROOM
November Spawned A Monster(ONEMAN GIG)

・2018/12/7(Fri)@品川教会グローリアチャペル
「HOLY」THE NOVEMBERS Live at Shinagawa Gloria Chapel