最終更新: 2020年12月6日

HAPPY5年ぶりの新作

HAPPYの新作アルバム『High Planet Cruise』が8月7日(水)にリリースされる。

前作『Hello』からなんと5年ぶりにアルバムを発表することとなった彼ら。

それまでにシングルやEPのリリースはあったものの、アルバムをリリースするのにどうしてこれだけの年月がかかってしまったのだろうか。

本作の内容に入る前にまずは本作制作にかかった5年という年月について記したいと思う。

5年という歳月

レーベルに所属している国内アーティストのリリースペースは早くて1年に1枚、平均して2年に1枚くらいだろう。

それに対し、海外アーティストは1年に渡るワールドツアーをはさんで、3~4年に1枚のリリースペースが平均である。

5年ともなるとレッド・ホット・チリ・ペッパーズくらいのベテランバンドのリリースペースになる。

インディペンデントゆえの手間ひま

話と戻すとHAPPYの場合、時間がかかった理由として一番大きいのは、音楽活動の大半を自分たちで行っていることだ。

上記の例で挙げたアーティストはレーベルに所属しているケース。HAPPYはあえて所属せず、レコーディングは自分たちで行うという選択をした。

前作『Hello』リリース時、彼らはレーベルに所属していた為、前回よりも遥かに作業量が増えたのは想像に難くない。

レーベルに所属していないアーティストは〆切すら与えられなければ、自分たちだけで全て決断しなければならず、迷いや戸惑いも大いにあっただろう。

時間はかかってしまったが、彼らはこうしてほぼ5人の力だけでアルバムを作り上げた。

本作の内容について

前置きが長くなったが、肝心のセカンドアルバム『High Planet Cruiseの話をしたい。

結論から言うと彼らがこれまでにやりたかったことが可能な限り全て詰まったアルバムになったのではないだろうか。

『High Planet Cruise』というタイトルに負けないくらい壮大なイントロで始まる1曲目「In nowhere…」。

アフリカンな管楽器の響きを堪能できる「Gold」、前作までの路線から更にレゲエ調に舵を切った「50 Century Song」。

アメリカの伝説となったロックバンド、ザ・ドアーズのオマージュが楽しめる「I Go」など、彼らの好きな古今東西の音楽がここにはある。

バリエーションに富み、やりたいことを妥協なくやりきったアルバムだと言える。

その一方で、この作品にはHAPPYとはこんなバンドではないかという、リスナー側の断定を避ける節が散見される。

正体を掴ませないように、輪郭の曖昧な楽曲が多く、ジャンル的にも簡単にサイケデリックだとは言いにくい多彩な音が混在している。

時間をかけて練った作品ではあるものの、随所に見られる曖昧さゆえに、今ひとつ何がやりたかったのか焦点が定まらない印象を受けたのが残念だ。

『High Planet Cruise』という旅路

ここまで書いて分かってきたのだが、もしかすると前述した5年間と言うのは、彼らにとって長い旅路だったのかもしれない。

だとすると彼が辿ってきた嘘偽りのない5年間が名前を変えて、『High Planet Cruise』となったのではないか。

本作を聴くということは、彼らの5年間を追体験するということと同じ意味を持つのだと思う。

これから彼らの作品を聴く方はもちろん、本作をずっと待っていた方、久しぶりに聴く方も、彼らの5年という歳月に思いを馳せながら聴いて欲しい。

リリース情報

High Planet Cruise
High Planet Cruise

posted with amazlet at 19.08.04
STONE FREE SOUNDS (2019-08-07)

収録曲:
1. In nowhere…
2. Naked Mind
3. Gold
4. yeses (Speeding on Landscapes)
5. 50 Century Song
6. Jesus Bach
7. Soothing Waltz
8. Ice Age Summer
9. I Go
10. Country Tears
11. WOWWOW
12. Indianwalk

STONE FREE
STONE FREE

posted with amazlet at 19.05.29
HAPPY RECORDS (2018-08-03)

収録曲:
01. Stone Free
02. Mellow Fellow
03. Come With Me
04. What’s Up
05. Hey
06. CYM Interlude
07. Count Your Memory

HELLO
HELLO

posted with amazlet at 19.05.29
HAPPY
SPACE SHOWER MUSIC (2014-08-06)
売り上げランキング: 148,653

収録曲:
01.Magic
02.Run Run Run
03.Time Will Go On
04.Lucy
05.Wake Up
06.Pity Xmas
07.Lift This Weight
08.Cycle of Life
09.Color
10.Win Key Gun

ライブ情報

High Planet Cruise Tour 2019
・8月23日(金)仙台 enn3rd
・8月27日(火)福岡 Voodoo Lounge
・8月29日(木)大阪・梅田 Shangri-La
・8月30日(金)名古屋 CLUB ROCK ‘N’ ROLL
・9月12日(木)東京・新代田 FEVER
OPEN 19:00 / START 19:30

ALL STANDING 前売¥3,000 税込み(ドリンク代別途必要)
e+、ぴあ、ローソン

【一般発売】6月29日(土)~

企画:HAPPY

プロフィール


京都府綾部市出身、幼馴染み5人組により2012年1月11日に結成。全員が複数のパートを担当し自由な発想で創られた楽曲がライブハウスシーンとSNSによる口コミで広まり、デビュー前にして2013年SUMMER SONIC出演をきっかけに注目が集まる。

2014年3月3日、初流通シングル「SUN」(TOWER RECORDS限定)リリース。MTV [HOTSEAT]に選出され、タワーインディーチャート初登場1位(総合チャート3位)を記録。同年3月12日からアメリカテキサス州オースティンで開催される世界最大の音楽見本市”SXSW”への 出演も含めたUSツアーを行う。計8都市10公演に出演し各地で大盛況となった。

2014年8月6日、1stアルバム「HELLO」をリリース。収録曲がSPACE SHOWER TV [POWER PUSH!]やFM802 [邦楽ヘビーローテーション]等に選出され、各誌・サイトの2014年ベストディスクにも多数選ばれる。数々の大型フェスや国内ツアーを経て、2014年末にはバンド初となるワンマンツアー(東阪公演ソールドアウト)を開催。

2015年2月からのスペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2015ツアーに参加。(全9会場ソールドアウト)同年5月13日、1stEP「To The Next」をリリース。全18本の全国ツアーを開催。

2016年1月Sound Cloudに新曲「CYM」をUP。同年3月自主企画「ELECTRIC FLOWER CARNIVAL」を新代田FEVERにて開催(ソールドアウト)。同年4月初の台湾ツアーを開催。(ソールドアウト)同年6月GAPミュージックプロジェクト「1969 RECORDS」とのタイアップアーティストに選出。同年8月自主企画「PERMANENT VACATION」を大阪・東京で開催。Photo ZINE「Mellow Fellow」発売。(現在完売)同年10月自主企画「HAPPY HALLOWEEN」開催。Photo ZINE第二弾「HEY」発売。

2017年6月FLAKE SOUNDSより7inchシングル「Mellow Fellow / Hey」を発売。大阪JANUS・東京渋谷O-nestでリリースパーティーを開催。
同年7月自主レーベルよりMini Album「STONE FREE」を発売。リリースワンマンツアーを東京新代田FEVER・大阪梅田NOON・名古屋クラブロックンロールで開催。

MV

・HAPPY – Naked Mind [STEREO] (Official Video)

・HAPPY – 50 century song (Official Video)

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