Tame Impala(テーム・インパラ)とは?

Tame Impala
今やサイケデリック・バンドと聞くと一番に思い浮かぶのがTame Impala(テーム・インパラ)かと思う。

60〜70年代の古典派サイケデリックからモダンなシンセサイザーまで、全てを自らのサウンドに昇華する実力派バンドとして知られている。

そんな彼らの音楽の根底にはサイケデリックだけでなくマイケル・ジャクソンやブリトニー・スピアーズなどのポップミュージックが根付いているのをご存じだろうか?

ポップスを基盤に持つという強みに加え、スタジオでは全ての楽器をフロントマンのケヴィン・パーカーが1人で演奏。

ここ数年ではTame Impala=ケヴィン・パーカーという方程式が確立してきており、アーティスト写真もケヴィンのみが写っている。

レコーディングまでこなす天才ミュージシャンであるため、今やサイケデリック界隈だけでなくLady GagaやMark Ronsonを始め、

Travis ScottやKanye West、Kendrik Lamarなどのヒップ・ホップ系アーティストともコラボ、そしてプロデューサーとしても引っ張りだことなっているのだ。

来日公演とリリース

Tame Impala(Kevin Parker)
Photo:DIY Magazine

Tame Impalaはオーストラリア・パース出身のサイケデリック・バンド。

メンバーはケヴィン・パーカー(Vo./Gt.)、ドミニク・シンパー(Gt./Syn.)、ジェイ・ワトソン(Syn./Chorus/Gt.)、ジュリアン・バルバッガロ(Dr./Chorus)、キャム・エイブリー(Dr./Chorus)による5人組。

2007年に結成し、翌年2008年にEP『Tame Impala』を発売。

その後MGMTのツアーのオープニングアクトに選ばれ、同年にサマーソニックへの出演を果たした。

2010年にはファーストアルバム『Innerspeaker』をリリース。

2012年にセカンドアルバム『Lonerism』をリリースし、第56回グラミー賞で“最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム”にノミネートされ、

NMEの年間ベストアルバム第1位を獲得するなど、この作品で彼らは世界的な評価を獲得した。

その翌年にはフジロックフェスティバル’13に出演。

2015年にサードアルバムとなる『Currents』をリリース。前作に引き続き、第58回グラミー賞“最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム”にノミネートされた。

2016年には単独来日ツアーを決行し、2018年にはサマーソニックに出演。

最新アルバム『The Slow Rush』

The Slow Rush

2020年の2月14日に4枚目となる最新アルバム『The Slow Rush』をリリースする。

今やコーチェラ、ロラパルーザ、パノラマ・フェスティバル等、世界有数のフェスのヘッドライナーを務めるビッグバンドまで登り詰めたテーム・インパラ。

そんな彼らのオススメの10曲を厳選し、紹介しながらその魅力について紐解いていきたい。

プレイリスト:スタッフ厳選おすすめ10曲

1曲目「Alter Ego」

Innerspeaker [12 inch Analog]
収録アルバム『Innerspeaker』
リリース:2010年

地平線まで永遠に連なる木々の真上をものすごい速度で飛んでいるような浮遊感が楽曲とサウンド共に宿っている一曲。

その感覚を可視化して上手く表現されているのが、Leif Podhajskyというアーティストが手掛けたアルバムジャケットで、ジャケットの本来の役割とはまさにこういうことなのだろう。

ジャケットのイメージと共にヘッドホンをつけてぜひ爆音で聴き浸って欲しい一曲。

2曲目「Solitude Is Bliss」

Innerspeaker [12 inch Analog]
収録アルバム『Innerspeaker』
リリース:2010年

この楽曲で鳴っているギターのサイケデリック・サウンドに心奪われた人も多いかと思う。

かく言う自分もこの曲を初めて聴いてテーム・インパラはもちろん、サイケデリックというジャンルの魅力にとりつかれたのだ。

このサウンドを聴くと鼓膜はもちろん、脳が音を聴いていて喜んでいるのが分かる。

これはもはやサウンドのドラッグなんじゃないかと思うほど中毒性がある。

3曲目「Feels Like We Only Go Backwards」

Lonerism [12 inch Analog]
収録アルバム『Lonerism』
リリース:2012年

セカンドアルバム『Lonerism』は前作に比べてよりメロディーに重きが置かれている印象があり、比較対象としてビートルズがよく引き合いに出されるようになった。

その代表曲としてこの曲があげられる。ジョン・レノン顔負けの心地よい高音ボイスがドリーミーなメロディーと調和している。

粘土で作られたストップモーション・アニメーションのMVはアナログだがトリッピーな作品に仕上がっている。

4曲目「Elephant」

Lonerism [12 inch Analog]
収録アルバム『Lonerism』
リリース:2012年

イントロから象が地響きを鳴らしながらドシドシと迫ってくるような強烈なギターサウンドで始まるナンバー。

ケヴィン曰く、昔違う形で曲のアイディアがあったのを思い出し改めて作り直した曲で、遊びで作ったそう。

Daft Punkのようなドラムサウンドでグラムロックを鳴らし、さらにサビもないという名曲であり、ある意味では迷曲である。

5曲目「Let It Happen」

CURRENTS (COLLECTOR'S EDITION) [5LP BOX] (RED MARBLED VINYL, BONUS 12INCH, 7INCH AND FLEXIDISC, POSTER, ZINE) [12 inch Analog]
収録アルバム『Currents』
リリース:2015年

この曲はサードアルバムのオープニングトラックなのだが、なんと8分弱もある長編曲なのだ。

だが不思議な事に聴いても聴いても飽きが来るわけでもなく、むしろ聴けば聴くほどケヴィンのサウンドに対する細やかな装飾や計算し尽くされた曲の物語が鮮明に見えてくる。

アルバムタイトル『Currents』、まさに”流れ”に身を任せて聴いて欲しい!

6曲目「The Less I Know The Better」

CURRENTS (COLLECTOR'S EDITION) [5LP BOX] (RED MARBLED VINYL, BONUS 12INCH, 7INCH AND FLEXIDISC, POSTER, ZINE) [12 inch Analog]
収録アルバム『Currents』
リリース:2015年

テーム・インパラと言えばこの曲!と言っても過言ではない今や彼らの代表曲の一つ。

タイトルを訳すと“知らない方が良かった”なのだが、元彼女が新しい男と一緒にいるのを知らない方が良かったという失恋ソング。

イントロのベースラインはもちろん、メロディーがとにかくキャッチーなのでサイケデリックサウンドに慣れていない人でもすんなりと耳に馴染むうえ、サイケファンでも十分大満足できるマスターピース。

7曲目「New Person, Same Old Mistakes」

CURRENTS (COLLECTOR'S EDITION) [5LP BOX] (RED MARBLED VINYL, BONUS 12INCH, 7INCH AND FLEXIDISC, POSTER, ZINE) [12 inch Analog]
収録アルバム『Currents』
リリース:2015年

Rihanna(リアーナ)が「Same Ol’ Mistakes」という曲名でカバーしたことでも知られる一曲。

この楽曲は今までのTame Impalaとは毛色が異なり、エレクトロとR&Bに大幅に舵を切り、サイケデリックというジャンルを超越し新たなファンを獲得した。

楽曲の内容に関しては、楽観主義と悲観主義の狭間で、前に進みたい気持ちと同じ場所にとどまりたい気持ちの葛藤が描かれている。

8曲目「Patience」

Patience
収録アルバム『Patience – Single』
リリース:2019年

テーム・インパラの新時代の幕開けと呼ぶに相応しい一曲。

『Currents』の後にリリースされたシングルなのだが、この楽曲は『The Slow Rush』には収録されていない(日本版ではボーナストラックとして収録されている)。

ジャケットからも分かるように、コンガが追加され、”アダルトな色気を醸し出すサイケデリア”という新たなフェーズに突入した。

曲自体はシンプルな構成なのだが、とにかく音の装飾が豊か。左右はもちろん、前後上下までこだわられた音の立体感、包み込まれるようなアナログの空気感が秀逸。

9曲目「Borderline」

The Slow Rush
収録アルバム『The Slow Rush』
リリース:2020年

通算4枚目となる最新作『The Slow Rush』収録曲で、ピアノとコンガを中心に展開されていく。

今作で特にこだわり抜かれたのがドラムサウンドで、以前からヒップ・ホップの様な芯のあるキックと圧縮されたスネアが素晴らしかったのだが、ブラッシュアップされ楽曲がよりタイトに。

引き算しながらミニマルに曲を構築しており、必要なフレーズが必要なタイミングで鳴っている。

10曲目「Lost In Yesterday」

The Slow Rush
収録アルバム『The Slow Rush』
リリース:2020年

“過去を振り返るのは決して容易ではないが、過去を乗り越え先へ進むことを表現している”というテーマの楽曲。

Ian KibbeyとCorey CreaseyによるTerri Timelyというデュオが監督を務めた結婚式を舞台にしたMVも面白い。

同じフレーズの展開が繰り返される曲構成なのだが、映像とリンクしているのか、フレーズごとに微妙に何かが変化しているので、MVと共に聴いて欲しい!

ケヴィン・パーカーは進化し続ける

tame-impala-kevin-parker
年代順に10曲ピックアップしてみたがいかがだっただろうか。

初期はB級サウンドながらにすでに確立された強烈な個性を感じることができ、中期はメロディアスに。

後期はヒップ・ホップのようなヘビーなドラムサウンドが大人の香りをまとっていながらも、サイケデリックな世界感と共存しているのを感じてもらえたと思う。

Tame Impalaはビートルズのように未来永劫語り継がれるバンドだと確信している。

それはケヴィンが生まれながらに持つポップミュージックへの愛と、脳に直接突き刺さる唯一無二のサイケデリックサウンドがマリアージュしているからではないかと思う。

そんなTame Impalaの軌跡をリアルタイムで味わえるのは音楽ファンにとってこれほど幸せなことはないだろう。

アルバムリリース

1st アルバム『Innerspeaker』

Innerspeaker [12 inch Analog]
Innerspeaker [12 inch Analog]

posted with amazlet at 20.02.07
Tame Impala
Modular Interscope (2011-08-16)
売り上げランキング: 147,284

収録曲:
1. It’s Not Meant To Be
2. Desire Be Desire Go
3. Alter Ego
4. Lucidity
5. Make Up Your Mind
6. Solitude Is Bliss
7. Jeremy’s Storm
8. Expectations
9. Bold Arrow Of Time
10. Runway Houses City Clouds
11. I Don’t Really Mind

2nd アルバム『Lonerism』

Lonerism [12 inch Analog]
Lonerism [12 inch Analog]

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Tame Impala
Modular Interscope (2012-10-09)
売り上げランキング: 149,406

収録曲:
1. Be Above It
2. Endors Toi
3. Apocalypse Dreams
4. Mind Mischief
5. Music To Walk Home By
6. Why Won’t They Talk To Me?
7. Feels Like We Only Go Backwards
8. Keep On Lying
9. Elephant
10. She Just Won’t Believe Me
11. Nothing That Has Happened So Far Has Been Anything We Could Control
12. Sun’s Coming Up

3rd アルバム『Currents』

CURRENTS (COLLECTOR'S EDITION) [5LP BOX] (RED MARBLED VINYL, BONUS 12INCH, 7INCH AND FLEXIDISC, POSTER, ZINE) [12 inch Analog]

収録曲:
(LP – Currents)
A面 : 1. Let It Happen
2. Nangs
3. The Moment
B面 : 1. Yes I’m Changing
2. Eventually
3. Gossip
C面 : 1. The Less I Know The Better
2. Past Life
3. Disciples
4. ‘Cause I’m A Man
D面 : 1. Reality in Motion
2. Love/Paranoia
3. New Person, Same Old Mistakes

(12インチ)
A面 : Let It Happen (Soulwax Remix)
B面 : Reality In Motion (Gum Remix)

4th アルバム『The Slow Rush』

The Slow Rush [Analog]
The Slow Rush [Analog]

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Tame Impala
CarolineInternational (2020-02-14)
売り上げランキング: 2,545

収録曲:
1. One More Year
2. Instant Destiny
3. Borderline
4. Posthumous Forgiveness
5. Breathe Deeper
6. Tomorrow’s Dust
7. On Track
8. Lost in Yesterday
9. Is It True
10. It Might Be Time
11. Glimmer
12. One More Hour

Tame Impalaプロフィール

Tame Impala
ケヴィン・パーカー(Vo./Gt.)を中心とするオーストラリア・パース出身の5人組サイケデリック・ロックバンド。08年にEPデビューを飾ると、60年代後半のロックに大きな影響を受けたストレートなサイケデリック・ロック・サウンドが世界で大ブレイク。翌09年にサマソニで初来日。10年に<Modular>から『インナースピーカー』でアルバム・デビュー。12年に発表した2作目『ローナイズム』が世界中で大ヒットしNME誌の年間ベスト1位を獲得するとフジロック’13で再来日し強烈なインパクトを残した。14年、第56回グラミー賞において『ローナイズム』が「最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム」にノミネートされ話題をさらう。15年の米コーチェラ・フェスティバルではAC/DCに次ぐ準トリとして出演を飾り、3枚目となるニュー・アルバム『カレンツ』をリリース。同作で第58回グラミー賞「最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム」に再びノミネート、売り上げは全世界で40万枚を突破した。18年にサマーソニック出演。今年のコーチェラにヘッドライナーとして出演。2020年2月14日、待望の4作目『THE SLOW RUSH』リリース。
HP:https://official.tameimpala.com/
Instagram: http://instagram.com/tameimpala
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Twitter: https://twitter.com/tameimpala
Soundcloud: https://soundcloud.com/tame-impala

Youtube

※2020年3月9日追加

※Tame Impala – Lost in Yesterday (Live on Jimmy Kimmel Live! / 2020)

※Tame Impala – Breathe Deeper (Live on Jimmy Kimmel Live! / 2020)

Tame Impala – Patience (Official Audio)

Tame Impala – Borderline (Live From Saturday Night Live/2019)

Tame Impala – The Less I Know The Better (Official Video)

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ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)
Rio Miyamoto
兵庫県出身のサイケデリック・ロックバンド、Daisy JaineのVo./Gt.。アメリカ・ボストンに留学経験があり、BELONGでは翻訳を担当。サイケデリック、オルタナ、60s、ロカビリーやR&Bと幅広く聴きます。趣味はファッション、写真、映画観賞。
Twitter:@rio_daisyjaine

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