フォークロックはフォークとロックが合わさった音楽ジャンルである。

ボブ・ディランやThe Byrdsを始めとする60年代を代表するバンドによって作りあげられた。

フォークロックとはどのようなジャンルなのかを掘り下げるとともに、新人フォークロックバンドを5組厳選したのでぜひ紹介したい。

これから紹介するバンドを通して、多様性のあるフォークロックというジャンルについて知るきっかけになれば嬉しい限りだ。

フォークロックとは

Big Thief
Big Thief

フォークロックは、60年代半ばに北アメリカとイギリスで誕生した音楽ジャンルの一つで、文字通りフォークとロックを組み合わせた音楽である。

フォークロックの始まりは、1965年に開かれたニューポート・フォーク・フェスティバルでの出来事。

ボブ・ディランがフォークソングの「Like A Rolling Stone」をロックバンドと共にエレキギターで歌ったことによりファンから激しく罵られた。

その後、The Byrdsがボブ・ディランの「Mr. Tambourine Man」を電気楽器でカバーしたことをきっかけにフォークロックは始まった。

現代ではフォークのナチュラルな響きはそのままに、シンセサイザーなどの電気楽器やサイケデリックの要素を加味したサイケデリック・フォークも誕生し、フォークロックの世界は今なお広がり続けている。

フォークロックの特徴

Whitney
Whitney

フォークロックはフォークやロックとどう違うのか。

特徴としてはメッセージ性の強い歌詞、各地域や民族によって異なる進化を遂げた柔軟性、そして演奏スタイルなどが挙げられる。

そこで、それら3つの特徴について詳しく説明していきたい。

メッセージ性の強い歌詞

そもそもフォークとは日本語で”民族”や”民謡”という意味がある。

それゆえ、フォークミュージックは人との関わりや社会の情勢などを歌詞に色濃く反映するメッセージ性の強いジャンルであった。

そこで民衆により届きやすい音楽へと変化する上で、ロックというジャンルの要素を織り交ぜることにより、メッセージ性と民衆性の両方を兼ね備えたフォークロックへと派生した。

地域性と民族性との繋がり

フォークロックと一口に言っても、アメリカとイギリスのスコットランドやウェールズなどを始め、ヨーロッパなどの異なる地域特有の音楽との結びつきによって、フォークロックは様々な顔を覗かせる。

地域によって使われる楽器や、歌い方のスタイル、そしてフォークとロックのどちらにより重きが置かれているなどの違いがあるが、ジャンルとしての細かい識別の定義はない。

その土地の地域性や民族性に合わせて柔軟に変化するからこそ、様々な様式のフォークが今なお存在しているのではないだろうか。

演奏スタイル

フォークロックはフォークとロックの要素が合わさったジャンルのため、それぞれの演奏スタイルが織り混ぜられている。

フォークのスタイルとして、美しいハーモニーが特徴のボーカル、アコースティックギターやバンジョー、そして各地域によってはその土地の民族楽器も使用される。

ロック要素としてはエレキギター、現代ではシンセサイザーなどの電子楽器も使われている。

演奏スタイルの柔軟性はありながらも、フォークのスタイルが根底にあるのがフォークロックの特徴である。

フォークロックの新人バンド5選

現代のフォークロックは多種多様に派生している。

そこで今回は、現代のフォークロックの新人バンドであるWhitney、Big Thief、ROTH BART BARON、Loving、そしてSundownersの5組について紹介したい。

Whitney

Whitney – Giving Up

アメリカはシカゴ出身のフォークロック・デュオ、Whitney(ホイットニー)。

Unknown Mortal OrchestraとSmith Westernsに以前所属していたメンバー2人によって結成された。

Whitneyと言えば、心に直接響く血の通ったアナログ・サウンドと、ボーカル兼ドラマーのジュリアン・アーリックの優しいハイトーンボイスが魅力。

あたかも自分が大自然の中にいるかのようなナチュラルなサウンドはフォークロックの醍醐味で、聴き手の心を癒してくれる。

Whitney結成の生い立ちを始め、アナログ感溢れる彼らのテイストについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせて読んでいただきたい。

発売日:2019/8/29
レーベル: Secretly Canadian
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Big Thief

Big Thief – Not

アメリカはニューヨークの4人組フォークロック・バンド、Big Thief(ビッグ・シーフ)。

紅一点の女性ボーカル、エイドリアン・レンカーによる、感情が剥き出しにされたダイナミックなボーカルがフォークロックに独自の色彩を与える。

さらにフォークとロックのパワーバランスが見事で、フォークロックの真髄をストレートに表現しているバンドである。

そんなBig Thiefの来日情報やバンドについての詳しい記事はこちらからチェックして欲しい。

発売日:2020/4/30
レーベル: BEAT RECORDS / 4AD
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ROTH BART BARON

ROTH BART BARON – けもののなまえ feat. HANA(studio session)

三船雅也と中原鉄也によるROTH BART BARON(ロットバルトバロン)はサマソニやフジロックに出演経験もあるフォークロック・バンド。

ROTH BART BARONがその他のフォークロック・バンドとは一線を画す要素として、サウンドへの追求心が挙げられる。

アコースティックはもちろん、エレクトロなサウンドスケープ、そして民族楽器のような名前すら想像の付かないサウンドを生み出す楽器により、フォークロックの可能性を上限なく広げている。

彼らは、それぞれの楽器のサウンドを信じきった先に見えた景色は広大であることを証明している。

そんなROTH BART BARONの最新曲「Special」についての記事はこちら。

発売日:2019/11/6
レーベル: felicity
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Sundowners

Sundowners – River Run

イギリス・リヴァプール出身のサイケデリック・フォークロックバンド、Sundowners(サンダウナーズ)。

Kasabianのツアーに参加し、さらにはグラストンベリーへの出演も果たした新人バンド。

現代の音楽シーンは古今東西、多種多様な要素が交錯しているが、Sundownersはフォークロックとサイケデリックを組み合わせたバンドである。

特に女性ダブルボーカルのパワフルなハーモニーや12弦ギターの響く高音は、60年代の音楽をそのまま現代に蘇らせている。

Sundownersについてはこちらの記事も合わせてチェックしていただきたい。

発売日:2017/4/28
レーベル: Skeleton Key Records
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Loving

LOVING – IF I AM ONLY MY THOUGHTS

カナダのサイケデリック・フォークロックバンド、Loving(ラヴィング)。

アコースティック楽器を主軸に奏でるフォークロック・バンドで、ノスタルジア溢れるレトロなサウンドがサイケデリックなのだが、ただ古いだけではないのがLovingの特徴。

というのも、ただレトロなサウンドというのはよくあるが、曲を聴いて想像する情景がコンパクトにまとまっており、まるで”箱庭”のように全てがパッケージングされているのだ。

Lovingの楽曲「Only She Knows」の魅力や、バンドについて詳しく知りたい方はこちらの記事も読んでいただきたいと思う。

発売日:2020/1/31
レーベル: Last Gang
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フォークロックの多様性

フォークロックを更新する、新世代バンド5選 (1)
フォーク・ミュージックが派生し、ロックと組み合わさることによって誕生したフォークロック。

60年代に北アメリカからヨーロッパに広がり、それぞれの土地で形を変えながら語り継がれてきたが、やはりフォークロックと聞くとどこか古いイメージがあるかと思う。

しかし、今回紹介した新人バンドを聴いてもらえば、懐古主義なリスナー、そして現代音楽を聴いて育ったリスナーのどちらにも新鮮さをもたらし、今の時代に完全にフィットしていることが分かると思う。

多様性がカギとなる現代だからこそ、他ジャンルと柔軟に適合できるフォークロックというジャンルはこれからも形を変えながら、時代に寄り添い続けていくに違いない。

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ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)

兵庫県出身のサイケデリック・ロックバンド、Daisy JaineのVo./Gt.。アメリカ・ボストンに留学経験があり、BELONGでは翻訳を担当。サイケデリック、オルタナ、60s、ロカビリーやR&Bと幅広く聴きます。趣味はファッション、写真、映画観賞。
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Twitter:@rio_daisyjaine