UK・ウェールズのグラムロックバンド、BUZZARD BUZZARD BUZZARD(バザード・バザード・バザード)がデビューEP『Non Stop』をリリースする。

BUZZARD BUZZARD BUZZARDは「John Lennon Is My Jesus Christ」というタイトルが象徴するように、ロックの興奮や熱狂を現代に蘇らせる数少ないバンドである。

そんな彼らの追い求める“ロック”とは何か?フロントマンのTomにメールインタビューを行った。

BUZZARD BUZZARD BUZZARDインタビュー

Buzzard Buzzard Buzzard
アーティスト:Tom Rees(Vo./Gt.) インタビュアー:矢部友宏 取材協力:Caroline International

-BUZZARD BUZZARD BUZZARDはトムのベッドルームプロジェクトから始まったそうですね。そこからバンドを結成したいきさつについて教えてください
Tom:俺とドラムのEthanが昔、一緒にバンドを組んでいたんだ。それで、同時にレコーディングに入ったんだよね。他のプロジェクトで一緒に活動していたから、ただ楽しんでレコーディングについて学んでみようと思って。母親の家でNorman Greenbaumの「Spirit in the Sky」を聴いた後にアイディアが浮かんだんだ。70年代のロックバンドを切り取ったような、70年代のレコードの制作に挑戦すべきだっていうね。とにかく、Ethan家では俺は早起きしすぎたようで、Ethanはいつもベッドにいたから、初期の楽曲は自分でレコーディングをすることになったんだ(笑)。でも最初の数曲のレコーディングの後に、彼は眠そうな目をしながら下に降りてきて、レコーディング作業に参加したよ。その後、物事レコーディングが白熱してきて、もう少し真剣に取り組み始めた時に、EddieとZacに参加しないかと声をかけたんだ。Eddieは最近The Beatlesにハマっていて、ベースを演奏するためにワールド・クラスのサッカー選手になるという考えを捨てたばかりだったんだ。Zacは俺が昔Zacのバンドでドラムを数回演奏したことがあって、お互いに知り合いだったんだ。だから、全部の要因が一つにまとまった感じだね!

-BUZZARD BUZZARD BUZZARDというバンド名の由来について教えてください。また、“BUZZARD”という同じ単語をどうして3回も繰り返しているのでしょうか。
俺らは元々は“Buzzard”ってバンド名を名乗っていたんだけど、同じ名前のスコットランドのバンドから連絡が入って、法的手段をとることも辞さないって脅迫されたんだよね(笑)。俺は古典的に訓練された”グッド・ボーイ“だから、法的処置にめちゃくちゃビビったよ。それで、Ethanがバンド名の“Buzzard”を3回コピーして貼り付けるという超ミレニアル世代とかけ離れたアイディアを出してきたんだ(笑)。

-今まで公開されたMVの冒頭にはメッセージが出てきますが、これはBUZZARD BUZZARD BUZZARDの音楽や映像の内容とリンクしているのでしょうか。また、アーシュラ・K・ル=グウィンなどの小説家からのメッセージをどうしてMVの冒頭で紹介しようと思ったのでしょうか。
俺がこの功績を独り占めしたい所だけど、実は俺たちのマネージャーでクリエイティブ・ディレクターのEdwin Burdisという天才がやったんだ。彼が俺らのビデオを監督してくれて、幅広いクリエイティブな方向性を提供しているんだ。彼はBUZZARD BUZZARD BUZZARDにとって手足のような存在で、もし彼を失ったら、腕を失うようなものなんだ。彼がいないと俺らの全部のビデオはひどいものになるよ。

-「Late Night City」のMVではメンバーが女装している姿を見て、往年のグラムロックを思い出しました。どうしてこの曲のMVでは女装をしようと思ったのでしょうか。
なぜなら、最高に見えるから。BUZZARD BUZZARD BUZZARDのメンバーはみんなTodd Rundgrenの大ファンで、彼はオシャレに打ち出すのが得意だったから、俺らも試してみたかったんだ。なによりも、(女装することは)本当にすごく楽しいんだ。ドレスアップすることは生活の中で楽しみの1つだし、よじれてたエゴマニア(※他者と比べて優越感にふけること)と組み合わさることで、ロックなビデオを手に入れることができるんだ。

-「John Lennon Is My Jesus Christ」というタイトルはとても面白いと思いました!1966年にジョン・レノンは“僕たち(ビートルズ)はキリストより人気がある”という発言がありましたが、それに関係しているのでしょうか。
その通りだよ!クリスマス・ホリデーでマデイラ島(※マデイラ島は美しいリゾート地として有名)にある彼女の両親の家にいて(彼女はマデイラ出身だけど、俺はお金持ちのブルジョア王朝の出身でも何でもないよ。)、彼女の両親と音楽について話をしていた時に彼女の父親が俺の好きなミュージシャンが誰か聞いてきたんだ。俺は“John Lennon”っていたんだけど、彼女の父親は”(John Lennonは)ジーザスより偉大だ!“って返答してきたんだ。翌日、俺はアパートの近くに置いてあった古くて安物のナイロン弦のギターで、曲を全部作ったんだ。あの曲(「John Lennon Is My Jesus Christ」)を書くのは大好きだったよ。

-「Double Denim Hop」はディスコバージョンも公開されましたね。どうしてこの曲はディスコバージョンも作ろうと思ったのでしょうか。
俺らは自由に制作できる自分たちのスタジオがあるからすごくラッキーなんだ。だから、その機会を可能な限り利用することを、早い段階で決断したんだ。それ以上に、俺たちはより多くの作品を作るのが大好きなんだ。BUZZARD BUZZARD BUZZARDのオーディエンスにできるだけ多くの作品を提供することは、本当に大切なことだと思う。俺はいつもThe Beatlesの『Anthology』が大好きだった。ビデオゲームの中でイースター・エッグ(※CDや書籍などに隠されていて、本来の機能・目的とは無関係であるメッセージや画面の総称)を見つけたような感じっていうか、自分だけが唯一発見した秘密のコンテンツみたいな。俺たちはそれに似たような何を作りたかったんだ。

『The Non-Stop EP』

-あらためてEPのタイトルである『Non Stop』には、どのような意味が込められているのでしょうか。
EPのタイトルでは、クラシック・ロックのクリシェ(※典型的な技法)を本当に掘り下げたかったんだ。ジャケット写真が裸の俺だったから、最初のアイディアは“Warm It Up”というタイトルだった。けど、ちょっと微妙な感じだった。俺はパスティーシュ(※作風を模倣すること)が大好きだから、パスティーシュに全力を尽くすと、かえってそうだとは思えないんだ。だから、パスティーシュにならないように一生懸命努力する時、かえって(聴き手に)強いインパクトを与えることができるんだ。

バンドのルーツ

-BUZZARD BUZZARD BUZZARDの音楽や活動に影響を与えた、バンドのル-ツにあたるアルバムを3枚挙げて下さい。また、そのアルバムからどのような影響を受けていると思いますか?

T. Rex『Electric Warrior』

1枚目はT. Rexの『Electric Warrior』だね。子供の時には、このアルバムがどれほど自分に影響を与えているか気が付かなかった。その曲を19歳か20歳ぐらいの時、車の旅で演奏して、全ての曲の歌詞を覚えていることに気が付いたんだ。それが俺の頭にしがみついて、解放されるのを待っていることに気が付いたんだ。俺らの楽曲の「Double Denim Hop」のすみずみでそれを感じることができると思うよ。歌詞に対するアティチュードとかT.Rexの全ては、俺に影響を与えたよ。

John Lennon『Plastic Ono Band』

2枚目のJohn Lennon『Plastic Ono Band(邦題:ジョンの魂)』を聴くことは、幼少期の俺にとってはとてもエモーショナルな経験だったよ。T.Rexの反対側を見せられたような感じで。初めて「God」を聴いた時、俺は泣いた。まるでJohn Lennonが俺に話しかけているようなんだ。『Plastic Ono Band』は、愛についてのフェイク・ソングを書こうとする俺に、パーソナルな体験を書くことの大切さを教えてくれたよ。

Todd Rundgren『Something / Anything』

3枚目のTodd Rundgren『Something / Anything』もプロダクションの素晴らしさについて触れておきたいな。スムースな曲を書くことへの不安を和らげてくれたんだ。Toddは常にロックしている必要はないことを示してくれたんだ。ソフトな面ももってても良いんだってね。それに、「I Saw The Light」のToddのサウンドは史上最高だよ。

ロックとは何か?

-“Rock or Not?”という動画がとても印象に残っています。私はロックとは、音楽のジャンルではなく、ミュージシャンの姿勢のことだと思っています。ロックにこだわりのあるBUZZARD BUZZARD BUZZARDだからこそ聞きたいのですが、ロックとはどのようなものだと思いますか?
ロックは音楽的な地位や、全ての性別、年齢に適応される普遍的な態度のことだと思う。俺にとって、ロックは時代のメインストリームに流れる思想の移り変わりを判断する目印のようなものなんだ。かっこいいバージョンの“オヴァートンの窓(※特定の時代において、国民の大部分が尊重すべき常識)”って感じかな。俺がロックという考え方が大好きな理由は、愛、興奮、称賛のたくさんある複雑な感情が“ロック”というシンプルな言葉に全て詰め込まれていているからなんだ。

-日本のリスナ-にメッセ-ジをお願いします!
俺たちのファンが日本にいるなんて、本当に気が狂いそうだよ!君たちが俺たちのバンドを気に入ってくれたことは、本当に人生最高な出来事だってことを心の奥底から伝えたい。俺は子供時代のほぼ全ての時間を、日本に行って演奏することを想像をしていたんだ。それで今、君たちがいつの日かそれが現実になるように手伝ってくれているなんて。みんな大好きだよ、サイコー!xxx

リリース

収録曲:
1. Double Denim Hop
2. Late Night City
3. Stockholm City Rock
4. Hollywood Actors
5. Theme From Early Morning City
6. Long Day / Free Day
7. What Is Hate?
8. John Lennon Is My Jesus Christ
9. Theme From Late Night City
10. Sugarloaf Mountain Crucify Me
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Double Denim Hop
Double Denim Hop

posted with amazlet at 19.04.21
Crosstown Recordings (2018-10-26)
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プロフィール

Buzzard Buzzard Buzzard

“英ウェールズの4人組バンド。カーディフ在住のTom Reesのベッドルーム・プロジェクトとして開始。後にベーシストとして実の兄弟のEddie Rees、ギタリストのZac White、ドラマーのEthan Hurstが加入し4人体制となる。2016年後半より活動を開始。2018年にデビュー・シングル「Double Denim Hop」を発表。英The Guardian誌が<2019年に注目すべきアーティスト>として取り上げ注目を集めた。2019年、Glastonburyをはじめとする大型音楽フェスティバルに出演。2020年、シングル「John Lennon Is My Jesus Christ」をCatfish and the Bottlemen等を輩出した気鋭レーベル< Communion>よりリリース。同年7月、デビューEP『Non-Stop』をリリースする。”

引用元:Buzzard Buzzard Buzzardプロフィール(Caroline International)

Youtube

  • Buzzard Buzzard Buzzard – John Lennon Is My Jesus Christ (Trailer Version)
  • Buzzard Buzzard Buzzard – Late Night City
  • Buzzard Buzzard Buzzard – Double Denim Hop

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ライター:矢部友宏

BELONGの編集長。理想のインディーミュージックを追い求め、日夜bandcampを漁っている。
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Twitter:@boriboriyabori