最終更新: 2021年8月9日

風雲児はLAからやってくる

アメリカ・カリフォルニアのロサンゼルスと言えばその広大な自然と降り注ぐ太陽、映画の帝国ハリウッドもあるアメリカ有数の観光地であり、映画・音楽の一大拠点。

かつて映画の道に進もうと思っていたジム・モリソン率いるザ・ドアーズもこの地で結成し、押しも押されぬロックレジェンドとなりました。

90年代にはミクスチャーロックで世界的なバンドになったレッド・ホット・チリ・ペッパーズが登場したのもここ。

このロサンゼルスという地域は過去何度もロックに大きな影響をもたらすバンドが現れた土地なのですが、ここに来て面白いバンドやアーティストが次々と登場しています。

規格外の新人バンド、Liily

まずはデビューアルバムすら出していない4人組ロックバンド、Liily。

彼らは日本だとまだ無名ですが、海外ではBBC Radio 1のJack Saundersによって選曲され、人気に火がつきました。

デビューシングル「Toro」のMVはアルバムすら出していないにも関わらず、現在100万回再生されています。

あえて言いますが、彼らはポスト・アークティック・モンキーズと言っても過言ではありません。

今の時点でサマーソニックのメインステージのオープニングアクトができるくらい演奏もしっかりしています。

また先日、彼らは地元でフェスを開催し、今フェスで引っ張りだこのスタークローラーも呼んで成功させています。

ザ・レモン・ツイッグスもプロデュースするFoxygen

そのロサンゼルスで忘れてはいけないのはザ・レモン・ツイッグスやホイットニーのプロデューサーとして知られるジョナサン・ラドー率いるフォクシジェン。

初期作は破天荒極まりないサイケデリック・サウンド全開だった彼ら。

他のバンドのプロデュースを行うようになってきたからでしょうか、歌に力を入れプロダクションのしっかりした曲を作るようになってきました。

新曲はロックと言うよりもポップスに片足を突っ込んでいるあたり、ここからどういう風になっていくのか想像がつきません。

過去作のファンからしたら、少しもの足りないかもしれませんが、彼らはいつでも賛否両論あるから良いのです。

ロサンゼルスの暴走機関車、STARCRAWLER

そしてLAの風雲児と言えば昨年颯爽とシーンに表れては、オジー・オズボーンばりのパフォーマンスと暴走機関車のごときロックサウンドで注目を集めたスタークローラー。

昨年のフジロックのストリーミングのコメント欄は、ボーカル・アロウの血糊のパフォーマンスで最高潮を迎えていました。

昨年末に「Hollywood Ending」をリリースしたばかりで世界中をツアーで周り、半端じゃない数のステージをこなしている彼ら。

今年はさらにパワーアップした姿を見られることでしょう。

ユニーク過ぎる夫婦デュオ、KOLARS

またロサンゼルスはアメリカ有数のエンターテイメントの街ということもあり、ユニークなアーティストがたくさんいる場所でもあります。

特に夫婦デュオ、コラーズのローレンはタップダンスをしながら、ドラムを叩くという離れ業をやってのけます。

それはコラーズの前身バンドだったHe’s My Brother She’s My Sisterの時から健在。

フォークロック・バンド、He’s My Brother She’s My Sisterとは?

現在ではデザート・ディスコと自ら称する音楽を演奏しており、ロサンゼルスのシーンでも一際異彩を放っています。

デザート・ディスコと称するカリフォルニアの夫婦デュオ、KOLARSの魅力とは?

UKロックもどんどん面白いバンドが出てきていますが、ことロックに関しては断然LAの方が強烈で個性的なバンドばかりです。

濃くしているのは間違いなく彼らで、今後もこの土地から新しい才能が出てくることを期待して注目していきたいと思います。

ライター:yabori
yabori
BELONG Mediaの編集長。2010年からBELONGの前身となった音楽ブログ、“時代を超えたマスターピース”を執筆。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル・​後藤正文が主催する“only in dreams”で執筆後、音楽の専門学校でミュージックビジネスを専攻

これまでに10年以上、日本・海外の音楽の記事を執筆してきた。

過去にはアルバム10万タイトル以上を有する音楽CDレンタルショップでガレージロックやサイケデリックロック、日本のインディーロックを担当したことも。

それらの経験を活かし、“ルーツロック”をテーマとした音楽雑誌“BELONG Magazine”を26冊発行してきた。

現在はWeb制作会社で学んだSEO対策を元に記事を執筆している。趣味は“開運!なんでも鑑定団”を鑑賞すること。

今まで執筆した記事はこちら
Twitter:@boriboriyabori