アルバムタイトルは理解しがたくておかしなこの国(アメリカ)の今の経済状況を反映していると思うんだよね。

アーティスト:ロブ・コラー(Vo./Gt.)  インタビュアー:yabori,Mayumi Yada

-バンドを結成したいきさつについて教えてください
ロブ:レイチェル(僕の妹)と一緒に5年前くらいからただの趣味のためのプロジェクトとしてバンドを始めたんだ。その頃僕はLemon Sunというロックバンドのボーカルで、彼女は小劇場で実験的な劇をやるプロデューサー兼監督をやってたな。始めはホームレスの人たちや社会の隅っこにいるような人たちを相手にちょっと変わっててユニークなライブをやって、それからだんだんバンドの知名度が上がっていってツアーやフェスのオファーを受けるようになったんだ。今ではアメリカ全土を周って何万人もの観客の前で毎年プレイしているよ。

-タップ・ダンシング・ドラムやスライドギターなど、今のバンドがほとんど使用しない楽器で演奏しているのが面白いと思いました。どうしてこのようなスタイルにしようと思ったのですか?
偶然みたいなもんだね。 僕たちはシンバルの音って他の音や楽器を邪魔してしまうことがあるから元々あまり使いたくないと思っていて。ある日レイチェルと僕が曲を作っている時にローレンがたまたまタップダンスをしててその音がすごく面白かったんだ。彼女のヒールが木の床を叩く音は楽しくて、刻むビートがすごく良かった。しばらくはローレンはタップダンスだけやってたんだけど、その後にドラマーが脱退してしまってね。それで彼女はドラムの叩き方と、ドラムとタップダンスを同時にやる方法を身につけることにしたんだ。それから数ヶ月懸命に練習してものにしたんだよ。僕たちは何度も彼女のドラムを改造してステージでよりいい音を出せるようにしていったんだ。どのパーツも自家製だよ。

-これからレコーディングやライブで使ってみたいと考えている楽器はありますか?
次のアルバムでのこぎりを使いたいと思ってる。あと電子楽器やブラス、バリトンサックス、チェロ、ヴィオラもね。レイチェルにオートハープを買ったんだ。たぶんこれも今後のレコーディングで使うと思うよ!

-アルバムタイトルの『Nobody Dances in This Town』は皮肉っぽくて、面白いタイトルだなと思います。これにはどういう意味があるのでしょうか。
これにはいろんな意味があるんだ。皮肉とユーモアの意味がこもってるね。僕たちのファンがライブの後汗だくで寄ってきて「この街じゃ誰も踊らないんだ」って言うんだよ。それっていうのは彼らは踊りまくって楽しんだのだけれど、普通は彼らの街じゃライブで踊ったりしないっていう意味なんだ。だけど国中どこにいってもみんな踊って汗だくになって同じことを言うのを聞いたんだ。だからこれをタイトルにしたら面白いなって思って。あとはもっと象徴的な意味として・・このタイトルは理解しがたくておかしなこの国の今の経済状況を反映していると思うんだよね。たくさんの曲が社会的な意味合いを歌詞や曲のタイトルに持たせていて、それは近年この国のみならず世界中でたくさんの人々が経験してきた不景気を表していると思う。だからこのタイトルは二重性を持っていると思ったんだ。人生におけるすべての物事と同じようにね。

-サウンドがアナログで音にもかなりのこだわりがあるように思います。この作品はどのようにレコーディングしたのでしょうか。
そうだね。ドラムや他のたくさんの楽器をテープでレコーディングしているよ。トム・モナハン(プロデューサー)はすごくいい耳をしていて、音の微妙なニュアンスによく注意を払ってくれるんだ。アルバムは全部クリック・トラックは使わずに同時に生でレコーディングしてる。オーバーダブも一部使ってるけど、ギターやベース、ドラムとかのほとんどは一緒にプレイしてるね。次のアルバムでは新しいアプローチで何か難しいことに挑戦したいなとは思ってるんだけど、なかなか今の僕たちのキャリアでは次の一歩を踏み出せないでいるよ。

-”The Same Old Ground”のPVは映画のようで、バンドとしての世界観が確立しているように思います。このPVではどのような事を表現したかったのでしょうか。
ありがとう! 僕たちは映画や劇に感化されているところがすごくあって、自分たちのアート面について語るのは大好きだよ。このビデオに出てくるのは恐怖から逃れてインスピレーションと勇気の世界へと飛び込もうとしている誰かなんだ。最後にその世界は凍ってしまって、今度は”ヒーロー”が思い切って前へ進んで自分たちの力で新たな世界を創造しなくてはならない状況になるんだ。いろんな意味に解釈できると思うけど僕たちの見方はこんな感じだよ。

-”The Same Old Ground”の歌詞は帰る場所や自分たちの居場所、また愛について。それも恋人同士の愛だけではなくもっと広い意味での愛について歌っているように思いましたが、この曲に込めたメッセージはどのようなものでしょうか?
なかなかいい解釈の仕方だね。僕としては死そのものと、僕たちがどんな風に次第に死に近づいていくのか、だからこそ僕らは人生に感謝するべきだし生きているうちは死やその他のいろんなことについて恐れたりするべきではないんだ、ということについて曲を書きたかったんだ。あと輪廻転生について歌っているところも少しあるかな。僕は死んだ後に魂は進化と成長をするためにこの地球に戻ってくると信じているからね。僕の好きな歌でメンフィス・スリムの”Mother Earth”という曲があるんだけど、その曲の中で彼が歌うところの”すべてが終わった後、母なる地球へ戻ってこなければならない”というのを別の言い方で表現したかったんだ。だから”僕たちはみんなこの同じ場所へ戻ってくるんだ、すべての始まりであるこの場所へ”という歌詞を書いたんだ。メンフィス・スリムの”Mother Earth”の歌詞を書いておくね。

君はずっと僕と一緒にはいられないかもしれない
もう二度と僕と一緒には歩んで行けないかもしれない
でも母なる地球はそこにある
君が返さなきゃいけない借りのために
自分の偉大さとか
自分の価値だとかそんなことは気にするな
すべてが終わった後
君は母なる地球へ戻ってこなければならない

-カリフォルニア出身という事ですが、日本でもベスト・コーストやWavves等のバンドが注目されていますが、今のカリフォルニアの音楽シーンはどのようなものなのでしょうか。
とても多岐に渡っているよ。クラブや音楽を聴く人たちにとってはいいコミュニティがあるよ。 カリフォルニア東部の音楽シーンは大好きだね。Best CoastとWavvesの熱心なファンというわけではないけど、この街にはたくさんの才能あるバンドがいるしどんどん新しいバンドも出てきてる。僕たちはアンダーグラウンド・フォーク・シーンから出てきて、フォークミュージックを新しくて大胆な解釈でプレイする変わってて珍しいバンド達と一緒にライブやフェスをしていたよ。ほとんどのライブはNEW LA FOLK FESTというフェスが中心だったね。

-同じレーベルにDr. Dogが所属しているようですね。彼らとは親交があるのでしょうか?
多少はね。僕は彼の音楽とライブの大ファンなんだ。本当に才能のあるアーティストだよ。今最もいいバンドの1つだね。

-最後にHe’s My Brother She’s My Sisterのルーツに当たる音楽について教えてください。
たくさんあるよ。ポップからブルース、インディー、ソウルまでね。いつくか僕たちの好きなバンドやアーティストを挙げておくね。Spindrift, Amanda Jo Williams, The Mamas & Papas, The Doors, T. Rex, Stanley Kubrick, Jim Henson, John Lennon & The Beatles, Neil Young, Donavan, Bob Dylan, Johnny Cash & June Carter, Fleetwood Mac, Devendra Banhart, Restavrant, Spoon, The Growlers, Shakey Graves…

『Nobody Dances In This Town』

【BELONG Magazine Vol.5はTemplesが表紙+インタビューを掲載】
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