最終更新: 2020年5月21日

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各メディアがこぞって年間ベストで取り上げたセカンドアルバム『Nocturne』、そこからほどなくして発表された実験的なEP『Empty Estate』をリリースしたジャック・テイタム率いるインディーポップバンド、Wild Nothingが新作『LIFE OF PAUSE』を2月にリリースする。新作はデヴェンドラ・バンハートらを手掛けるトム・モナハンがプロデュースを担当し、ジャック曰く“自分を置き換えたようなレコードを作りたい”というコンセプトのあるサードアルバムとのことだ。ドラマーにピーター、ビヨーン・アンド・ジョンのジョン・エリクソン、ギターに伝説のシューゲイザー・バンド、メディスンのブラッド・レイナー等が参加。本当に美しくレコーディングし、絶妙にアレンジされた11曲を収録。誠実でありながら熟慮されたアルバムが完成した。

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ワイルド・ナッシングはアメリカのインディポップ/シューゲイズ・バンドだ。バンドと言ってもジャック・テイタム(Jack Tatum)しか在籍していないワンマン・バンドで、2009年の夏頃からワイルド・ナッシング名義でレコーディングは始められている。 

2010年、21歳のジャック・テイタムはヴァージニアのブラックスバーグの大学の最終学年に籍をおいていた。そしてこの年の春にリリースされたのが、ワイルド・ナッシングのデビュー・アルバム『ジェミニ(Gemini)』である。『ジェミニ』は2010年の夏のカルト・ポップ・レコードとなった。このアルバムは、夏の幼少期の切望が軸となったアルバムだった。そこには、即座に二分する不安と気まぐれなパラノイアが流れている。ジャック・テイタムによってホーム・レコーディングされた80年代のインディ・ポップをルーツに持つこの作品は、インターネットを通して、瞬く間に人気を獲得することになった。評論家からも極めて高い評価を獲得し、アルバムは同年のピッチフォークの年間ベスト・アルバムの1枚にも選ばれた。2012年にリリースされたセカンド・アルバム『ノクターン(Nocturne)』は、ベッドルームでのレコーディングからスタジオでのレコーディングに移行した作品で、他のミュージシャンもプレイヤーとしてアルバムに貢献した。『ノクターン』はジャック・テイタムのポップ・ミュージックの理想世界の窓となるアルバムとなった。彼は自分の存在意義を作り上げる為、まるで強迫観念を持ったように、ポップ・ミュージックに対してのヴィジョンをこのアルバムに詰め込んだのだ。こうしてリリースされた『ノクターン』は各国で大きな評価を獲得した。iTunes、Under The Rader、Obscure Sound、Urban Outfitters、The 405他、各メディアは2012年のベスト・アルバムの1枚に同作品を選出。またミシェル・ウィリアムズ(『マリリン 7日間の恋』『ブルーバレンタイン』『ブロークバック・マウンテン』)を起用したヴィデオ「パラダイス」も大きな話題を呼んだ。

そしてワイルド・ナッシングの3枚目のアルバム『ライフ・オブ・ポーズ(Life Of Pause)』は、トム・モナハン(デヴェンドラ・バンハート、ビーチウッド・スパークス、オ・ルヴォアール・シモーヌ他)のプロデュースにより、ロサンジェルスとストックホルムでレコーディングされた。「新しいレコードはそのレコードにしかないアイデンティティを持たなくてはならない。以前の作品とは別のゴールを持ってなくてはならないんだ」というジャック・テイタムのポリシーのもとに制作されたアルバムは、2016年2月にワールドワイドでリリースされる

【リリース情報】
『LIFE OF PAUSE』
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2016.2.17 ON SALE(日本先行販売)
■品番:OTCD-5181
■価格:¥2,300+税

【収録曲目】
1. Reichpop / ライクポップ
2. Lady Blue / レディ・ブルー
3. A Woman’s Wisdom / ア・ウーマンズ・ウィズダム
4. Japanese Alice / ジャパニーズ・アリス
5. Life Of Pause / ライフ・オブ・ポーズ
6. Alien / エイリアン
7. To Know You / トゥ・ノウ・ユー
8. Adore /アドア
9. TV Queen / TVクイーン
10. Whenever I / ホェンエヴァー・アイ
11. Love Underneath My Thumb / ラヴ・アンダーニース・マイ・サム

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