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10. HONNE – Warm on a Cold Night
日本好きが高じてアーティスト名が“本音”という日本語になってしまったHONNE。エレクトロポップのデュオであるにも関わらず、Radioheadの話で意気投合して結成されたという過去を持つだけに、ポップな曲だけでなく、ロック調の曲もあるのが彼らの魅力である。そして今年、デビューアルバムが発売された。しかしながら今までに5枚EPをリリースしている中で今回収録された曲は、どれもがポップ寄りの曲で固められているのが少し残念。日本盤ボーナストラックには「Gone Are The Days」を始めロック寄りの曲が入っているだけ惜しい。次作はEP『Over Lover』を中心にそえるようなロックナンバーのアルバムを作ってくれまいか。


9. Roosevelt – Roosevelt
ドイツで活動するプロデューサー、マリウス・ラウバーによるRooseveltのセルフタイトルのデビューアルバムはHot chipのメンバーJOE GODDARDが主宰するGRECO ROMANからのリリース。日本ではほぼ無名ではあるが、今年一番の掘り出し物は間違いなくこの一枚。サウンドはHot chipとWashed Outを足して2で割ってトロピカルさをまぶしたようなバランスのとれたエレクトロサウンドであり、何度聴いても飽きない魅力がある。


8. Justice – Woman
最近Justiceのデビューアルバム『Cross』ってエレクトロデュオなのにバンドよりもバンドらしかったし、ロックよりもロックだった気がするなと感じていた矢先、久しぶりの新作が発売された。前作『Audio, Video, Disco.』があまりにもしょうもないアルバムだっただけに期待せず聴いていたが、このアルバムが実に良い出来だった。何よりも彼らの良い所は振り切れてかっこいいし、ダサいときは信じられないくらいにダサい。要は癖の塊なのである。そのぶっとびまくったエネルギーと彼らのルーツであるソウル・ゴスペルにハンドルを切ったサウンドに感動した。


7.Red Hot Chili Peppers – The Getaway
今年の2大リリースと言えば、このレッチリとRadioheadの最新作だった。Radioheadの新作は「Burn The Witch」が先行曲としてもMVとしてもインパクトがあったものの、アルバム全体を聴くと音楽的な価値があるのは分かるが、複雑怪奇な作品であった。ここまで我が道をいくと骨董品でしかないんじゃないか・・・。一方でレッチリはプロデューサーのデンジャー・マウスに全曲ボツにされるという窮地に追い込まれながらも往年のレッチリらしさを残しつつ、新機軸といえる「Dark Necessities」を生み出した。要は窮地を乗り越えたおっさんらの人間力が凝縮された一枚なのだ。


6. Primal Scream – Chaosmosis
スカイ・フェレイラとボビー・ギレスピーのデュエット曲「Where The Light Gets In」の振り切れたダサかっこ良さには笑いが止まらなかった。そんな笑撃の新作『Chaosmosis』は前作『Beautiful Future』の制作にも参加していたPeter Bjorn and Johnのビヨーン・イットリングとバンドの相互プロデュースによるもの。しかも前作より遥かにビヨーン色が濃厚になり、「(Feeling Like A) Demon Again」はもはや彼の十八番と言えるオタク臭全開の出来栄えである。それでいてHaimも参加させるなど、意外と抜け目のない人選も光っている。作品毎にサウンドを変えまくる彼らであるが、ベテランながらも最先端というかむしろレトロフューチャーなサウンドのアルバムを作り上げたのはすごい。


5. D.A.N. – D.A.N.
D.A.N.の音楽を聴いていると、“音が生き物のように動いている”という事を実感する。こんな感覚は今までに味わった事がほとんどないなと思いながら、iPodを聴いていたらThe Horrorsの『Primary Colours』を思い出した。よくよく考えてみるとこの作品のプロデューサーはPortisheadのジェフ・バーロウで、彼らがリスペクトしているアーティストの一つである。という事はD.A.N.はかつてPortisheadが生み出していたような立体的なサウンドを生み出しているのかと思うと新人でありながら末恐ろしい存在だなと思わずにはいられない。


4. yahyel – Flesh and Blood
自分の聴いているiPodでは“邦楽”、“洋楽”というフォルダ分けをしているのだが、彼らの登場によってその線引きもいよいよ必要ないなと思うようになった。音楽だけでなく、映像も含めどこの国で生まれたのか分からない表現が彼らの新しさだ。日本のアーティストは海外に行っても云々の議論はもはや不要であることをyahyelが証明する時が必ず来ると確信する一枚。


3. 宇多田ヒカル – Fantôme
今年は“人間活動”からの復帰で話題には欠く事のなかった一枚。しかしながら復帰以前よりも更にシンプルになったサウンドと椎名林檎はまだ分かるが、KOHH、小袋成彬という尖った異色の人選には驚かされた。小袋成彬とのコラボによる「ともだち」では、活動休止というブランクが嘘のように東京インディーサウンドの最先端にも寄せられるという離れ業にも度肝を抜かれた一枚。


2. 岡村靖幸 – 幸福
今年なんと11年半ぶりに岡村靖幸の新作が発売されるという事でなんとなく試聴したのが運の尽き。気がつけば何としても秋のツアーに参加するべく“岡村貯金”を実施していた自分であった。それは置いといて、めちゃめちゃ恥ずかしいであろう歌詞をかっこよく歌い上げ、職人的でキャッチーな曲を作れる岡村ちゃんは天才としか言いようがない。先日、春のツアーの開催が発表されたが、再び“岡村貯金”を再開し是非とも参加したい。


1. The 1975 – I Like It When You Sleep, for You Are So Beautiful yet So Unaware of It
ここで言うのも何だか去年までThe 1975が嫌いで嫌いで仕方がなかった。チャラいだけでなく、バンドなのにやたらポップな曲は作るし、一体お前らは何なんだと。しかしそれは彼らに対する嫉妬でしかなかった。常軌を逸した長いタイトルはバンドの覚悟の表れとインタビューで語っていたように、作品全体の緩急の付け方やサウンドのクオリティが尋常ではない。それでいてバンドでありながら自身はブランドであり、ポップバンドだと標榜するフロントマン、 マシュー・ヒーリーの音楽的野心がこれでもかというほどに炸裂している。ここまでバンドとしての革新的なビジョンを持ったフロントマンはThe Strokesのジュリアン・カサブランカス以来ではなかろうか。彼らこそ10年に1度現れる後進のサウンドやファッションすら変えてしまうカリスマ性をもったバンドに違いない。

【Writer】yabori (@boriboriyabori)
BELONGの編集長やってます。
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