最終更新: 2021年12月5日

壮大なメロディー。しっとりと歌い上げるバラード調の音楽。古ぼけた映像。中国の音楽を思い浮かべた時に現れるのは、正直そんなイメージ。

その、お決まりの型を打ち破るかのように登場した新星、Leah Dou(リア・ドウ)。彼女の音楽からは、エレクトロ、ジャズ、フォーク、R&B、トリップホップなど様々な影響が感じとれる。

Leah Douとは


Leah Dou(リア・ドウ)の母親は、ファイナルファンタジーⅧの主題歌「Eyes On Me」で有名な90年代の中国の歌姫、フェイ・オン。父親も中国の有名ロック・ミュージシャン、ドウ・ウェイ。

幼い頃から音楽があって当たり前という環境で過ごし、15歳の時に音楽・ダンス・美術・映画・演劇・文芸といった芸術を専門にするアメリカの全寮制の高校Interlochen Center for the Artsに留学し、作詞作曲を始めたという中国屈指のサラブレッドだ。

Stone Cafe

2016年にリリースしたLeah Dou(リア・ドウ)のデビューアルバム『Stone Cafe』は、中国本土で5000万回を記録する大ヒットとなり、話題をかっさらった。

同年11月には、2014年のブリットアワードの新人賞に輝いたイギリスのバンド、BastilleのオープニングアクトとしてUKツアーに参加。

また、その年に日本でサマソニへの出演を果たし、今年は北米ツアーが決定するなど、今最も成功するアジアのミュージシャンの一人だと言える。

これほど世界から熱視線を浴びる彼女の魅力は、母親譲りの透明感のある歌声と自由な精神のもとに作られた楽曲、そして、飽くなき音楽への探求心だと言える。

彼女は毎日、ストリーミングやアプリを利用して、常に新しい音楽を求めて聴いているそうだ。その姿勢が、これまでのいわゆる中国っぽさのある音楽とは一味も二味も違う音楽を作り出しているのだろう。

Leah Douが影響を受けたアーティスト

Leah Dou(リア・ドウ)が影響を受けたアーティストにDaft PunkやRadiohead、ラナ・デル・レイなど数々のアーティストを挙げていることからも、欧米の音楽からの影響を強く受けてきたと言える。

さらに、初めから海外市場でブレイクすることを目標に掲げており、英語歌詞で歌うスタイルや、様々な国の音楽を取り入れたスタイルは、確実に国境を超えて届くものだと思う。

2017年、世界を席巻するアジアの新世代アーティストになるかもしれない。(木下トモ)