最終更新: 2026年5月21日
“好きな音楽をそのままやっているだけ”と語るバンドが、なぜニューヨークの名門レーベルに見出され、世界中のリスナーに届くのか。
インドネシア第二の都市スラバヤ出身のThee Marloes(ジ・マーローズ)は、インドネシア語と英語を自然に織り交ぜた歌詞と、60年代ソウルの親密な空気を現代に蘇らせたサウンドで、ジャンルの枠を静かに超えていく。
新作『Di Hotel Malibu』は、ツアーの移動中や、サウンドチェックの合間に生まれたリフを集めた、旅の記憶そのものだ。
新作のリリースに際し、シナトラとナターシャにアルバムの内容だけでなく、そのユニークなバンド名についても聞いた。
Thee Marloesインタビュー

アーティスト:シナトラ・ダラカ、ナターシャ・シアントゥリ インタビュアー:わきき(Wakiki) 翻訳・編集・校正:BELONG Media / A-indie
結成とメンバーシップ
-わきき:まず、Thee Marloesの結成の経緯について教えてください。メンバーそれぞれが異なる形で音楽と関わってきた中で、最初に出会ったとき、お互いの音楽性にどのような印象を持ちましたか?また、現在の3人だからこそ生まれる音楽の”空気感”は、どのように形作られていったのでしょうか。
シナトラ:最初は、パンデミック中の実験みたいなものだったんだ。ラカがずっと手元に置いたままにしていた音楽のデモがいくつかあって。3人はいつもいろんな音楽のリファレンスを交換し合っていたから、実際にスタジオで一緒に音楽を作ってみたら、全部が自然な流れで動き出したという感じだよ。
バンド名の由来
-わきき:Thee Marloesというバンド名の由来を教えてください。この名前にはどこかノスタルジックな響きを感じますが、活動を続けていく中で、その意味や響きはどのように変化し、あるいは深まっていきましたか?
シナトラ:実はわりとシンプルな話でね。Googleで検索しても音楽と結びつかない名前を探していたんだ。そのときに見つけた名前のひとつが“Marloes”で、実際には地名なんだよ。そこに“Thee”をつけたのは、当時Thee Midnitersをよく聴いていたから。
サウンドのアイデンティティ
-わきき:Thee Marloesの音楽には、インドネシアの空気感とソウル、R&B、チカーノソウルなどの要素が溶け合い、独特のニュアンスが生まれています。聴き手によっては異国的に響く部分もあると思いますが、そうした要素が重なり合う中で、ご自身の音楽を一言で、あるいは造語で表現するとしたら、どのような言葉になりますか?
シナトラ:“ソウルラバヤ”かな(笑)。ちょっとダサいかもしれないけど、実は友達が言ってくれた言葉なんだ。自分たちで音楽にジャンルの名前をつけたり、ラベルを貼ったりしようとはあまり思っていないんだよ。聴いてきた音楽を土台に、自分たちが自然に感じることや本当に好きなことをやっているだけで。だから、音楽をじっくり聴いてくれるリスナーや友人たちに委ねたいと思っている。そのなかで、今のところ一番ユニークだと感じた表現がその言葉だよ。
Big Crown Recordsとの出会い
-わきき:自宅スタジオで制作していた音楽が、遠く離れたニューヨークのBig Crown Recordsの耳に届き、コンタクトがあったとき、どのような気持ちでしたか?具体的なエピソードがあれば、ぜひ併せて教えてください。また、その出来事はその後の活動や、音楽に対する向き合い方にどのような変化をもたらしましたか?
シナトラ:そのことが起こる前から、Big Crown Recordsの大ファンで、彼らのアーティストの音楽をいつも聴いていたんだ。そしたらある日、突然Instagramにダイレクトメッセージが届いて、“聴かせてもらえる曲はある?”って。あの夜は本当に夢みたいだったよ。その後メールで曲を送って、やがてビデオ通話になって、それほど時間が経たないうちに正式にBig Crownとサインしたんだ。最初の日から家族みたいに接してくれていてね。音楽を作るときに全力を尽くすよう背中を押してくれるし、ツアーもずっとやりやすくしてくれている。音楽をより効果的に制作すること、それから自分たちのバンドとしてのポテンシャルを理解することも、彼らから本当にたくさん学んだよ。Big Crownが自分たちの旅の一部でいてくれることが、ただただラッキーだと思っている。
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