最終更新: 2023年1月29日

UKロックがついに復活した!イギリスのアルバムチャートでIDLESのアルバムが1位を獲得したのだ。

U2のボノの息子であるイライジャ率いる、Inhalerのデビューアルバムも全英1位を獲得。

Fontaines D.C.も全英チャート2位とインディーロックバンドが大健闘している。

この記事では活況を帯びてきたUKロックシーンの現在について、注目の若手バンド35組とともに紹介していく。(2021年9月6日追記)

UKロックとは

UKロックとはイギリスのロックを意味している。

イギリスの正式な名称はグレートブリテン及び北アイルランド連合王国(The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)である。

UKはUnited Kingdomの略語であり、UKロックと言われるようになった。

また、UKと一言で言ってもイギリスという一つの国を指すのではなく、イングランドとウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国が入っている。

ブリティッシュロックとの違い

もともと日本ではUKロックのことをブリティッシュロックと呼んでいた時代があり、言葉の意味としてはUKロックと同じであった。

しかしSex Pistolsを始め、パンクバンドの台頭以降はUKロックと言うようになった。

“日本では70年代後半頃までに活躍したバンドをブリティッシュロックと呼んでいました。セックス・ピストルズやクラッシュなどのパンクバンドが現れると同時に、それまでまるで恐竜の様になりつつあったロック界が一気にポップになります。以降はニューウエイヴ世代と呼ばれ、重いブリティッシュロックの皮を脱いでUKロックと呼ばれるように変化していきます。時代的に大まかにいえばローリングストーンズやディープパープル、レッド・ツェッペリンなどまでがブリティッシュロックで、ザ・ポリスやクラッシュからはUKロックといったあたりでしょうか。”

引用元:UKロックとは イギリス音楽の歴史や特徴をかんたんに解説します(IndiesMate)

最近のUKロックバンドシーン

UKロック35組
上:Wolf Alice 左下:Inhaler 右下:squid
待望の復活を遂げたUKロックバンドシーンについて、まずは復活までのいきさつについて振り返っておきたい。

2000年代にはガレージロック・リバイバルというムーブメントが起こり、Franz FerdinandやArctic Monkeysなどのバンドが活躍したが、

2010年代はヒップホップやエレクトロなどがメインストリームを席巻した時代が続いたイギリスの音楽シーン。

そこにUKロックの光明が見えだしたのが2018年にWolf AliceがArctic Monkeysやノエル・ギャラガーを破り、イギリス最大の音楽賞であるマーキュリー・プライズを受賞するというトピックであった。

2作目が全米・全英一位に輝いたThe 1975が2枚アルバムをリリースするなど、やっとUKロックが息を吹き返すのではと期待されていた。

Wolf AliceやThe 1975の活躍が突破口となり、2021年の現在はポストパンクバンド、IDLESのアルバムが全英1位を獲得。

U2のボノの息子であるイライジャ率いる、Inhalerのデビューアルバムも同様に全英1位を獲得するなど、活況を呈してきたのだ。

UKロック新世代バンド35組紹介とプレイリスト


そんな勢いに乗るUKロック新世代35組による、35曲のプレイリストを作成した。

記事の内容と一緒にプレイリストを聴いて、お気に入りのバンドを見つけてほしい!

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Wolf Alice

原始的だが王道のロックバンド、ウルフ・アリス

Dream Wife

女子プロレスラーが登場する型破りなMVを公開したパンクバンド、ドリームワイフ。

Goat Girl

ロンドンのリアルをシニカルに表現する、ゴート・ガール

Fat White Family

近寄るな危険、ファット・ホワイト・ファミリー

Cabbage

自称:シュールレアリスト/セミ・アナーキスト、キャベッジ

Stats

クールで少しオタッキーなシンセ・ポップがやみつきになる、スタッツ

FUR

ビートルズ好きは一発KO!誰からも愛されるオールディーズバンド、ファー

YAK

ガレージ・サイケは俺に任せろ!スピリチュアライズドも巻き込んだ逸材、ヤーク

Blueprint Blue

メンバー二人はザ・ホラーズの実弟!ヨット・ロックの新星、ブループリント・ブルー

The Night Café

新時代ブリット・ポップを鳴らす、The Night Café

Sports Team

新時代のブラーか!?スポーツ・チーム(Sports Team)

WYCH ELM

カート・コバーンが憑依したグランジバンド、WYCH ELM

SCALPING

全てを拒絶するインストバンド、SCALPING

Plastic Mermaids

全時代のサイケを鳴らすワイト島出身の天才バンド、Plastic Mermaids

Penelope Isles

良質なバンドの宝庫、ブライトン出身のPenelope Isles

black midi

若手随一の注目度をほこるラフ・トレードの刺客、ブラック・ミディ

Vanishing Twin

FanfarloやInnerspace Orchestraのメンバーが結成したVanishing Twin

Modern Nature

Beak>やWoodsのメンバーが結成したモダン・ネイチャー

Hollow Hand

ザ・キンクス譲りの伝統的でモダンなUKロックバンド、ホロー・ハンド

Working Men’s Club

UK、ウエスト・ヨークシャー出身の4人組ニュー・ウェイヴバンド、 Working Men’s Club(ワーキング・メンズ・クラブ)。

GIRL BAND

アイルランド・ダブリン発ポスト・パンク/ノイズ・ロックバンドのガール・バンド(GIRL BAND)。

Night Flowers

二度目の国内ツアーを成功させたUK・ロンドンのドリームポップバンド、Night Flowers(ナイト・フラワーズ)。

Sundowners

UKはリヴァプールより、60年代を現代に体現する5人組サイケデリック・フォークバンド、Sundowners(サンダウナーズ)。

Sorry

ロンドンでアーシャ・ローレンスとルイがス・オブライエンを中心に結成された、オルタナティブ・ロックバンド、ソーリー(Sorry)。

ARXX

ブライトンのThe White Stripesこと女性二人組のガレージロックデュオ、ARXX。

強気なガレージロックだけでなく、ピアノやピアノの弾き語りもあり、アナログで幅の広いサウンドは本家譲り。

squid

フランツ・フェルディナンドを手掛けた名匠ダン・キャリーが仕掛ける4人組ポストパンクバンド、squid(スクウィッド)。

彼らは2019年9月にデビューEP『Town Centre』をリリースしたばかりだが、“BBC Sound of 2020”で10組に選出されている。

PORRIDGE RADIO

The Velvet Undergroundを想起させる実験性と狂気を体現するブライトン出身の4人組ポストパンクバンド、PORRIDE RADIO(ポリッジ・レディオ)。

地元シカゴで国民的バンドになったWHITNEYが所属するよう注目レーベル、Secretly Canadianと契約し、2019年12月にシングル「Lilac」をリリースした。

Peggy Sue

オールディーズの神様的存在、Buddy Hollyの代表曲「Peggy Sue」をバンド名にした、ロンドンのサーフ・ロック・デュオ、Peggy Sue(ペギー・スー)。

オールディーズに回帰した新作アルバム『Vices』は2020年2月にリリースされる。

VIOLET

バーミンガム出身の5人組ロックバンド、VIOLET(ヴァイオレット)。

往年のSUEDEを思わせる大味で振り切れたブリット・ポップサウンドが特徴。

2019年の11月にデビューEP『Feels Like Heaven』をリリースした。

Temples

Oasisのノエル・ギャラガーやThe Smithのジョニー・マーも絶賛するサイケデリックロックバンド、Temples(テンプルズ)。

IDLES

アルバム全英一位を獲得したブリストルのポストパンクバンド、IDLES(アイドルズ)。

Fontaines D.C.

アルバムが全英二位を獲得したアイルランド・ダブリンのポストパンク・バンド、FONTAINES D.C.(フォンテインズD.C.)。

Shame

盛り上がりを見せるサウスロンドンの音楽シーンをけん引するポストパンク・バンド、Shame(シェイム)。

Chubby And The Gang

Fontaines D.C.を輩出した名門レーベルPartisan Recordsと契約したロンドンのパンクバンド、Chubby and the Gang(チャビー・アンド・ザ・ギャング)。

Inhaler

あのU2のフロントマン、ボノの息子であるイライジャ・ヒューソン率いるInhaler(インヘイラー)。

2021年にデビューアルバムをリリースし、UKチャート1位を獲得している期待の新星がついにデビュー!

UKロック・シーンのこれから

全て一筋縄ではいかないUKロック期待の若手35組を紹介したが、いかがだっただろうか。今のUKロック・シーンはジャンル的にも人材的にも裾野が広がっている。

若手バンドが全英チャートをにぎわせているが、デビューアルバムすら出していないファーの楽曲「If You Know That I’m Lonely」にいたっては、約1070万回再生(2019年12月25日現在)されているなど、驚異的な勢いを見せている。

これからUKロックの若手バンドがどう羽ばたいていくのか引き続き注目したい。

■FUR – If You Know That I’m Lonely

ライター:yabori
yabori
BELONG Mediaの編集長。2010年からBELONGの前身となった音楽ブログ、“時代を超えたマスターピース”を執筆。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル・​後藤正文が主催する“only in dreams”で執筆後、音楽の専門学校でミュージックビジネスを専攻

これまでに10年以上、日本・海外の音楽の記事を執筆してきた。

過去にはアルバム10万タイトル以上を有する音楽CDレンタルショップでガレージロックやサイケデリックロック、日本のインディーロックを担当したことも。

それらの経験を活かし、“ルーツロック”をテーマとした音楽雑誌“BELONG Magazine”を26冊発行してきた。

現在はWeb制作会社で学んだSEO対策を元に記事を執筆している。趣味は“開運!なんでも鑑定団”を鑑賞すること。

今まで執筆した記事はこちら
Twitter:@boriboriyabori

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