最終更新: 2024年3月7日

Cigarettes After Sex(シガレッツ・アフター・セックス)は、グレッグ・ゴンザレスによる実験的なサウンドプロジェクトから生まれたアンビエント・ポップバンドである。

彼らの静かで幽玄な音楽は、洗練を極めた作品を通じて、2010年代半ばに全世界で熱狂的なリスナーを生み出した。

2017年にセルフタイトルのデビュー作を発表した後、2019年にはセカンドアルバム『Cry』をリリースし、確かな実力を見せた彼ら。

2022年には、ゴンザレスとダニエル・ルッピとのコラボレーションEP『Charm of Pleasure』を経て、2024年7月に待望のサード・アルバム『X’s』がリリースされる。

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Cigarettes After Sexとは


Cigarettes After Sex(シガレッツ・アフター・セックス)は、2008年にテキサス州エルパソでゴンザレスが住んでいた時に、ほぼ偶然に結成された。

テキサス大学の学生だった彼は、大学の4階建ての建物で曲を録音することによって広がりのあるサウンドを捉える実験をしていた。

これらの曲は、2012年にリリースされた最初のEP『I.』に収録されている。

ブルックリンに移住した後、ゴンザレスはバンドの作業を続け、フィリップ・タブス、ランディ・ミラー、ジェイコブ・トムスキー、スティーブ・ヘラーダ、エミリー・デイビス、グレッグ・リーアなど、多くのコラボレーターを迎え入れた。

彼らの作品の初期、特に注目すべきトラックは、2015年のREOスピードワゴンのバラード「Keep on Loving You」のカバーであった。

オンラインでの注目を集めた後、Cigarettes After Sexはデビューアルバムに取り組み始め、バンドの始動からほぼ10年後の2017年に、セルフタイトルの作品をリリース。

その年、「Apocalypse」というシングルはヨーロッパの一部でインディーシーンでヒットし、アメリカのBillboard’s Bubbling Under Hot 100 Singlesチャートで16位にランクインした。

1年後、彼らはデビュー作と同じセッションで録音されたシングル「Crush」を発表後、2019年10月、セカンドアルバム『Cry』をリリース。

シングル「Heavenly」の後押しを受けて、このアルバムはヨーロッパ全土でチャート入りし、ポルトガルでは1位を獲得している。

ダニエル・ルッピとのコラボ

その後、ゴンザレスは作曲家のダニエル・ルッピとコラボレーションを行い、2022年9月にEP『Charm of Pleasure』をリリース。

2ヶ月後、Cigarettes After Sexは新曲「Pistol」で2年ぶりに音楽シーンに戻り、その翌年にシングル「Bubblegum」と「Stop Waiting」がリリースされた。

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『X’s』について


『X’s』は、Cigarettes After Sex(シガレッツ・アフター・セックス)の3枚目のアルバムで、バンドのフロントマンであるゴンザレスの4年間の恋愛を赤裸々に綴った作品となった。

10年前のバレンタインデーに失恋した彼は、Sadeの「By Your Side」を聴きながら車で2時間かけてライブに向かう日々を過ごしていた。

その日の体験は忘れがたく、彼は“どうやったら、「By Your Side」の質感や感情を表現できる作品が作れるだろうか”と考えていたそうだ。

このアルバムは、生々しく映像的で、魅惑的でスローなポップソングに乗せられているもの、一方で“このレコードは残酷だ”とゴンザレスは語っている。

この時期は、ゴンザレスにとって、個人的な成長の時期でもあったが、同時に、Cigarettes After Sexは、ドラマーのジェイコブ・トムスキーとベーシストのランドール・ミラーとともに、キャリアのさらなる高みに達した。

もはやCigarettes After Sexはインディーバンドの代表格ではなく、SADEのように世界的に成功しつつも、その神秘性を保ち続ける稀有な存在となった。

Cigarettes After Sexの誰にも明かしたくない秘密のような音楽は、間違いなく2024年のベストアルバムの一つに数えられるだろう。

ゴンザレスからのコメント


Cigarettes After Sex(シガレッツ・アフター・セックス)のメンバーであるグレッグ・ゴンザレスは本作について、下記のように語っている。

“この喪失について誰かと座って話すことはできるけど、それでは表面をかすめるだけなんだ。本当にそれについて書き、歌い、音楽を添えて、それから分析し、学ぶことができる。あるいは、良い意味でそれを再体験することもできる。僕には、忘れたいと思う『エターナル・サンシャイン』のようなものではないんだ”

引用元:Cigarettes After Sex announce new album ‘X’s’(Partisan Records)

Cigarettes After Sex – Tejano Blue

X’s リリース詳細


発売日: 2024年7月12日
収録曲:
1. X’s
2. Tejano Blue
3. Silver Sable
4. Hideaway
5. Holding You, Holding me
6. Dark Vacay
7. Baby Blue Movie
8. Hot
9. Dreams From Bunker Hill
10. Ambien Slide
フォーマット:Mp3、CD、アナログ
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ライター:Tomohiro Yabe(yabori)
Tomohiro Yabe
BELONG Media/A-indieの編集長。2010年からBELONGの前身となった音楽ブログ、“時代を超えたマスターピース”を執筆。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル・​後藤正文が主催する“only in dreams”で執筆後、音楽の専門学校でミュージックビジネスを専攻

これまでに10年以上、日本・海外の音楽の記事を執筆してきた。

過去にはアルバム10万タイトル以上を有する音楽CDレンタルショップでガレージロックやサイケデリックロック、日本のインディーロックを担当したことも。

それらの経験を活かし、“ルーツロック”をテーマとした音楽雑誌“BELONG Magazine”を26冊発行。

現在はWeb制作会社で学んだSEO対策を元に記事を執筆している。趣味は“開運!なんでも鑑定団”を鑑賞すること。

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Twitter:@boriboriyabori

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