最終更新: 2024年4月29日

『Remain in Light』や映画『Stop Making Sense』で知られるTalking Heads(トーキング・ヘッズ)は、ポストパンク/ニューウェイヴ黎明期に新たな境地を切り開いたパイオニア的存在である。

ブライアン・イーノとのコラボによるアフロ・ビートの取り入れなど、白人バンドとしては異例の試みに果敢に挑戦。

ロックに知性とユーモア、さらにはダンスミュージックを取り入れた彼らのサウンドは、後に数多くのアーティストに影響を与えることになる。

更新履歴
2024年4月29日 4アーティストのコメント(Art School、Danz CM、The Kooks、PANIK FLOWER)追加

Talking Heads

出身地 アメリカ・ニューヨーク、プロビデンス(ロードアイランド州)
活動期間 1975年~1991年
ジャンル ニューウェイブ、ポストパンク、アヴァンファンク、アートポップ、ワールドビート、ダンスロック
レーベル サイア、ワーナーブラザーズ
バンドメンバー デイビッド・バーン、クリス・フランツ、ティナ・ウェイマウス、ジェリー・ハリスン

Talking Headsの概要

Talking Heads(トーキング・ヘッズ)はライブを映画化した『Stop Making Sense』で演奏と表現を新たな次元に引き上げる名作を生み出した。

デヴィッド・バーンが主宰するこのバンドは、ニューヨーク・パンク・シーンでインテリジェンスと個性的な姿勢が評価される。

80年の革新作『Remain In Light』ではダンス、ファンク・ミュージックに挑戦し、音楽性の高さが絶賛された一方で白人のロックとアフリカン・ミュージックの掛け合わせに違和感を唱える意見も。

デヴィッド・バーンのアーティスト性は前述した映画『Stop Making Sense』にも及び、ポップからアートへと活動の場を広げていった。

Talking Headsから影響を受けたアーティスト

Art School(木下理樹)のコメント

木下理樹

木下理樹:Talking Headsの『Remain in Light』です。全部がかっこよくて、ジャケットも含めてセンスの塊じゃないですか。ブライアン・イーノがプロデューサーだったり、アフリカン・リズムの追求であったり、めちゃくちゃ知的だなと思って。当時のライブもすごくて痙攣するダンスは超かっこいいなと思いました。聴いてて飽きないですね。

👉️木下理樹(Art School)インタビュー、音楽のルーツについて

Danz CM(Computer Magic)のコメント

Talking Headsは大好きだからそれは最高の褒め言葉よ!この曲は自分の頭の中にあるダンスグルーヴをイメージしながら書いたの。アコースティックなドラムの要素もいれながら、エレクトロっぽくサウンドになるようにパーカッションを使ってる。DFAレコーズっぽい音ね。

👉️Computer Magic『Mindstate』インタビュー

The Kooksのコメント

ありがとう!僕らはTalking Headsにインスピレーションを受けてるところがかなりあるよ。アルバムをこれで完成って決めるのはすごく難しいんだ。この曲はすごく好きなんだけど、苦渋の決断で通常版にはいれないことにしたんだ。

👉️The Kooks史上、最高にダンサブルでグルーヴィな新作『Listen』

PANIK FLOWERのコメント

ジョーダン:Talking Headsを嫌いな人なんていないよ!彼らのアルバム『Speaking in Tongues』はずっと好きで、特に「This Must be the Place (Naive Melody)」という曲がお気に入りなんだ。とはいえ、僕たちの音楽は、それぞれのスタイルに関して言えば、彼らとはかなり異なると思う。僕たちは少しアップビートではなく、もう少し不協和音的なものを目指しているんだけど、それにもかかわらず、彼らの型にはまらない姿勢にインスパイアされているんだ。

ミラ:私たちの音楽を聴いて、このバンドを思い出してくれたなんて光栄だわ!私の両親はTalking Headsの大ファンで、私たちもよく聴いて育ったから、私にとってはとてもノスタルジックで価値のあるバンドなの。

👉️美しさとノイズの狭間で歌うPANIK FLOWER:ニューヨークからシューゲイザーとドリームポップの世界へ

A Stop Making Sense Tribute Album

Talking Headsの代表作である、ライブ映画『Stop Making Sense』の40周年を祝して、A24 Musicがトリビュート・アルバム『Everyone’s Getting Involved』をリリースする。

BADBADNOTGOOD、Lorde、Miley Cyrusら16組のアーティストが参加し、オリジナル曲を新たな解釈で再現する。

世代を超えた多様なラインナップが、不朽の名作の魅力を新しい視点から伝える。

同作品のリリースにあわせて、4K復元版が劇場で上映されるなど、不朽の名作の魅力を次世代に継承する試みがなされている。

また、本作より、girl in redが、「Girlfriend Is Better」のカバー曲を公開し、コメントも寄せている。

girl in redのコメント

Talking Headsは、ティーンエイジャーだった頃、私のアイデンティティを定義するのに役立った象徴的なバンド。彼らは世界中の若者にインスピレーションを与え続けている。このトリビュートに参加できたことはとても気分がいいし、このような機会を与えてもらえたことにとても感謝している。Talking Headsよ永遠に

👉️■VA | 7月26日発売、『EVERYONE’S GETTING INVOLVED: A TRIBUTE TO TALKING HEADS’ STOP MAKING SENSE(エヴリワンズ・ゲッティング・インヴォルヴド:ア・トリビュート・トゥ・トーキング・ヘッズ・ストップ・メイキング・センス)』より、girl in red「Girlfriend Is Better」を公開。

『Everyone’s Getting Involved: A Stop Making Sense Tribute Album』
発売日: 2024/7/26 

収録曲(詳細はクリック)
収録曲:
1. Psycho Killer – Miley Cyrus
2. Heaven – The National
3. Thank You For Sending Me An Angel – Blondshell
4. Found A Job – The Linda Lindas
5. Slippery People – Él Mató a un Policía Motorizado
6. Burning Down The House – Paramore
7. Life During Wartime – Dj Tunez
8. Making Flippy Floppy – Teezo Touchdown
9. Swamp – Jean Dawson
10. What A Day That Was – The Cavemen.
11. This Must Be The Place (Naive Melody) – BADBADNOTGOOD (Feat. Norah Jones)
12. Once In A Lifetime – Kevin Abstract
13. Genius Of Love – Toro y Moi (feat Brijean)
14. Girlfriend Is Better – girl in red
15. Take Me To The River – Lorde
16. Crosseyed And Painless – Chicano Batman (Feat. Money Mark)

Talking Headsリリース詳細

1st アルバム『Talking Heads: 77』

発売日: 1977/9/16

収録曲(詳細はクリック)
収録曲:
1. Uh-Oh, Love Comes to Town
2. New Feeling
3. Tentative Decisions
4. Happy Day
5. Who Is It?
6. No Compassion
7. The Book I Read
8. Don’t Worry About the Government
9. First Week/Last Week… Carefree
10. Psycho Killer
11. Pulled Up

2nd アルバム『More Songs About Buildings and Food』

発売日: 1978/7/14

収録曲(詳細はクリック)
収録曲:
1. Thank You for Sending Me an Angel
2. With Our Love
3. The Good Thing
4. Warning Sign
5. The Girls Want to Be with the Girls
6. Found a Job
7. Artists Only
8. I’m Not in Love
9. Stay Hungry
10. Take Me to the River
11. The Big Country

3rd アルバム『Fear of Music』

発売日: 1979/8/3

収録曲(詳細はクリック)
収録曲:
1. I Zimbra
2. Mind
3. Paper
4. Cities
5. Life During Wartime
6. Memories Can’t Wait
7. Air
8. Heaven
9. Animals
10. Electric Guitar
11. Drugs

4th アルバム『Remain in Light』

発売日: 1980/10/8

収録曲(詳細はクリック)
収録曲:
1. Born Under Punches (The Heat Goes On)
2. Crosseyed and Painless
3. The Great Curve
4. Once in a Lifetime
5. Houses in Motion
6. Seen and Not Seen
7. Listening Wind
8. The Overload

5th アルバム『Speaking in Tongues』

発売日: 1983/6/1

収録曲(詳細はクリック)
収録曲:
1. Burning Down the House
2. Making Flippy Floppy
3. Girlfriend Is Better
4. Slippery People
5. I Get Wild/Wild Gravity
6. Swamp
7. Moon Rocks
8. Pull Up the Roots
9. This Must Be the Place (Naive Melody)

6th アルバム『Little Creatures』

発売日: 1985/6/10

収録曲(詳細はクリック)
収録曲:
1. And She Was
2. Give Me Back My Name
3. Creatures of Love
4. The Lady Don’t Mind
5. Perfect World
6. Stay Up Late
7. Walk It Down
8. Television Man
9. Road to Nowhere

7th アルバム『True Stories』

発売日: 1986/9/15

収録曲(詳細はクリック)
収録曲:
1. Love for Sale
2. Puzzlin’ Evidence
3. Hey Now
4. Papa Legba
5. Wild Wild Life
6. Radio Head
7. Dream Operator
8. People Like Us
9. City of Dreams

8th アルバム『Naked』

発売日: 1988/3/15

収録曲(詳細はクリック)
収録曲:
1. Blind
2. Mr. Jones
3. Totally Nude
4. Ruby Dear
5. (Nothing But) Flowers
6. The Democratic Circus
7. The Facts of Life
8. Mommy Daddy You and I
9. Big Daddy
10. Bill
11. Cool Water

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ライター:Tomohiro Yabe(yabori)
Tomohiro Yabe
BELONG Media/A-indieの編集長。2010年からBELONGの前身となった音楽ブログ、“時代を超えたマスターピース”を執筆。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル・​後藤正文が主催する“only in dreams”で執筆後、音楽の専門学校でミュージックビジネスを専攻

これまでに10年以上、日本・海外の音楽の記事を執筆してきた。

過去にはアルバム10万タイトル以上を有する音楽CDレンタルショップでガレージロックやサイケデリックロック、日本のインディーロックを担当したことも。

それらの経験を活かし、“ルーツロック”をテーマとした音楽雑誌“BELONG Magazine”を26冊発行。

現在はWeb制作会社で学んだSEO対策を元に記事を執筆している。趣味は“開運!なんでも鑑定団”を鑑賞すること。

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Twitter:@boriboriyabori