最終更新: 2026年4月2日

ロンドンを拠点に活動する3人組、deary(ディアリー)。

抑制と解放のバランスが取れたシューゲイザー、ドリームポップサウンドをトリップホップ由来のフィーリングで調理し、規律的で調和の取れた格調高いサウンドを奏でる彼女たちは、ロンドンの名門インディーレーベル“Bella Union”よりデビューアルバム『Birding』をリリースする。

幼少期の孤独やパンデミックの孤立などを経て結成されたバンドのルーツ、鳥をテーマに制作されたアルバム『Birding』にまつわる詩と神話など、dearyとデビューアルバムに真正面から向き合ったインタビュー。

今回はメンバーのドッティ・コックラム(Vo./Gt.)とベン・イーストン(Gt.)が答えてくれた。

アーティスト:ドッティ・コックラム(Vo./Gt.)、ベン・イーストン(Gt.) インタビュアー:滝田優樹 翻訳・編集・校正:BELONG Media / A-indie

ルーツと幼少期


-滝田優樹:私たちはアーティストのルーツや音楽が生まれた背景、そして影響を受けた音楽・文化・芸術を大切にしているメディアです。今回私たちとは初めてのインタビューなので、まずはあなたたち自身のことからお聞きすることで、読者にもあなたたちの魅力を知ってもらいたいです。今はロンドンを拠点にして活動されているのかと思うのですが、出身もロンドンですか? また、今回リリースされるアルバムが人間が世界に与える影響を考察したもので内なる子供と結びついた”と説明している資料を拝見したので、それに関連して、どのような幼少期を過ごして、どのように音楽に興味を持ったのかも教えてほしいです。

ベン:ロンドン郊外で育って、12歳の頃から音楽を作り始めた。兄がギターを弾き始めて、僕も真似したくなったんだ。一緒にThe BeatlesやThe Smithsを発見していったよ。何もない場所に住んでいると、都会での生活、音楽シーン、アートシーンに対して色々な幻想を抱くようになって、それが頭から離れなくなるんだ。新アルバム『Birding』に関して言えば、そういう夢って往々にして誇張されているんだよね。都会って、時にすごく圧倒されるし、孤独な場所でもあるから。

ドッティ:私はサマセット出身で、19歳までそこで暮らしていました。学校では詩や物語を書くのがずっと好きだった。ギターを弾き始めてからは、そういう文章を歌に変えていくようになったの。サマセットの音楽シーンはかなり小さくて男性中心だったから、最初は自分の居場所を見つけるのが難しかった。でも、音楽を作ることと、気分が沈んだ日にカバーを弾くことが本当に好きだったから続けられたんだと思います。

バンド結成とバンド名の由来

-滝田優樹:続いてあなたたちの出会いについて教えてください。ロックダウン中にベンがパンデミックを乗り越えるために曲作りを始めたのがきっかけで結成されたようですが、改めてどのようにしてdearyが結成されたのか、あなたたちから詳しく説明してもらえますか?また、直訳すると、“親愛なる人”という意味のようですが、“deary”というバンド名の意味についても教えてください。

ベン:何年もバンドで演奏してきたんだけど、パンデミックが始まった時に、この時期を乗り越えるために何か新しいことをしてみようと思ったんだ。新しい機材に投資して、最終的にインストゥルメンタルのデモを何曲か作った。これはまだドッティと出会う前のことだよ。”deary”というバンド名のアイデアはその頃にはもう浮かんでいた。あまり日常的には使われない不思議な言葉だけど、すごくヘビーなサウンドと組み合わせると面白いと思って。男性的な強さを少し削いでくれるような響きがあるんだよね。

ドッティ:ベンが共通の友人を通じて連絡してきて、参加しないかって聞いてくれたの。私自身もその頃は迷子みたいな状態で、自分の居場所がよくわからなくなっていた。彼のデモはすごく好きだった。新しいのに懐かしい感じがして。私はずっとgrouperやGrimesみたいなエーテリアルな音楽とフォークが好きだったから、自然と馴染んだ感じがしたんです。

ロールモデルとなったアーティスト


-滝田優樹:ベンがパンデミック中に曲を作りSNSでアップしていて、この曲に女性ヴォーカルが入れば最高じゃないかと思ったそうですが、dearyがロールモデルとしているバンドや音楽は具体的にあったのでしょうか? もしくはペルソナなどあれば気になります。

ベン:ドッティと初めて会ったとき、Cocteau TwinsのElizabeth Fraserへの愛で意気投合したんだ。彼女の声や音楽だけじゃなく、パフォーマーとしての彼女自身が好きで。インタビューではとても内気で控えめなのに、その声からはもう感情が爆発するように溢れ出してくる。それがすごく響いたんだよね、二人とも。

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