最終更新: 2026年3月29日

“空ではあるが、宇宙ではない距離感”。

そんなふうに表現したくなるアーティスト、Happypillsをご存知だろうか。

宅録インディーポップを日本語で表現することにこだわり続けてきた彼が、5年ぶりにEP『happypills (dream)』をリリースする。

Galileo GalileiやThe Drumsから受けた影響、Bandcampを通じた海外との繋がり、2人体制で挑むライブの編成まで。

宅録ならではの手触り、どこか懐かしく切ない歌詞の世界、そしてゴスな雰囲気をまとったアートワーク。

このインタビューでは、今作が生まれるまでのすべてをメールインタビューで聞いた。

アーティスト:Yuki Kondo(Happy pills) インタビュアー:まりりん 編集・校正:BELONG Media / A-indie

Happypillsの始まり


-まりりん:活動を始めた経緯やきっかけは何でしょうか。また、“Happy Pills”という名前の由来についても教えてください。
Yuki Kondo:元々音楽自体は好きでよく聴いていたのですが、ギターはほとんどやったことがなくて、大学の時ぐらいから本格的に触り始めました。バンドを組もうとなって、友達と何度かスタジオに行って合わせたりもしたんですけど。みんなそれぞれ忙しかったので頻繁には集まれず、結局バンドとしては形にならなくて、気がついたら1人で曲を作ってはBandcampにアップするという活動形態になっていました(笑)。

-まりりん:“Happy Pills”という名前の由来について教えてください。
Happypillsという名前はNorah Jonesの「Happy Pills」という楽曲名に由来しています。バンド名を決める際に、友達が名付けてくれました。Happypillsと1語に繋げたときの語感や、アルファベットそれぞれの文字の高さが何となく上下に波打っている感じがすごく気に入っています。

音楽的なルーツと出会い

-まりりん:影響を受けた音楽やルーツを教えてください。
Happypillsとして音楽制作という意味では、Galileo Galileiの『PORTAL』というアルバムに衝撃を受けたのが最初のきっかけです。アルバムのレビューなどを見ていると、宅録やドリームポップ、シューゲイザーといったワードを目にするようになって。そこから色々調べていくうちに、Bandcampに楽曲をアップしているような海外のベッドルームアーティストやインディーポップなどに出会いました。レーベルでいうとUSのCaptured TracksやSpirit Goth RecordsやスロバキアのZ Tapesあたりですが、当時のインディーシーンの流れに詳しい訳ではなかったので、検索して出てきたものをいくつか聴いていた感じです。あとはThe DrumsやFazerdaze、Wavves、Cloud Nothingsとかよく聴いていました。粗くこもった音像や、決して上手いとは言えないようなへろへろな単音ギターリフ、シンプルなドラムマシン、ボーカルが埋もれている感じなど宅録特有の雰囲気がとても新鮮で、「自分でも何か楽曲を作れるかもしれない」といった衝動に駆られるようなサウンドでした。これらの海外アーティスト達のDIY精神を大事にしつつ、さらに日本語で表現するにはどうしたらいいか考えて、最初にもお話ししたGalileo Galileiの『PORTAL』から『Baby, It’s Cold Outside』、『ALARMS』あたり(GGは全部大好きですが)の空気感を目指したのが始まりでした。

日常と感情が生む世界観

-まりりん:音楽以外で、Happypillsの表現や世界観に影響を与えたものについて、例えば映画、文学、アート、日常の出来事などがあれば教えてください。
特定の映画や文学といったものはないんですけど、これまでの人生で感じてきたような悔しさや挫折、閉塞感、そしてそれらを受け入れるようなポジティブな感情などを言葉にして、架空の町や現実の風景に落とし込んでいるイメージです(ありきたりかもしれませんが・・)。
デザインするのは好きなので、アートワークも全て自分で制作しています。今はiPhoneで撮った写真を加工して、その上にイラストやロゴを描いたりしているものが多いです。

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