最終更新: 2026年4月5日
“僕たちは道化師じゃない”。
この言葉が、The Parade(ザ・パレード)というバンドのすべてを表しているかもしれない。
彼らはスウェーデンを拠点に鮮明なアーティスト写真や素性も公開しないまま、デビューアルバム『City of Dreams』をリリースした。
パブでのダーツ対決、ティム・バックリーの「Song to the Siren」をアカペラで歌い続けた女性の声、そしてABBAが使っていたというミニ・モーグ。
バンドにまつわる断片的な情報は、どれも映画のワンシーンのように鮮やかだ。
アルゴリズムやソーシャルメディアが音楽を席巻する2026年に、彼らはただ音楽への誠実さだけを持って音楽制作を行っている稀有なアーティストである。
この記事では、結成の経緯からレコーディングの詳細、アルバムタイトルへの思い、日本のファンへのメッセージまで、The Paradeが語った言葉を届ける。
また、このインタビューは、The Paradeにとって初のインタビューにして、BELONG Media / A-indie独占となる貴重な記事である。
是非、この機会にThe Parade『City of Dreams』について、1曲目から曲順通りに聴いて欲しい。
結成のきっかけ
アーティスト:The parade インタビュアー:yabori 翻訳・編集・校正:BELONG Media / A-indie 撮影:Daniel Ersson
-yabori:The Paradeの結成エピソードは、私がこれまで出会った中でもとりわけ映画のワンシーンのような話だと思いました。パブ、ダーツ対決、そしてフェリシアがティム・バックリーの「Song to the Siren」をアカペラで歌ったこと。ぜひ皆さんの言葉で聞かせてください。フェリシア、ジョン、ジョナスはどのようにして出会い、女性ボーカルを迎えようとしたのですか?また、“これは本物のバンドになる”と確信した瞬間はいつでしたか。
The Parade:物事って、思いがけない方向に転がることがあるよね。偶然の出会いや、ふとした道筋が、思いもよらない場所へ連れて行ってくれることがある。ひとつ訂正しておくと、あれはティム・バックリーのオリジナルじゃなくて、This Mortal Coilのバージョンがバックグラウンドで流れていたんだ。曲が止まった後もフェリシアがそのまま歌い続けていて、それが僕たちの注意を引いた。でも、パブとダーツの話より前の話をすると、ジョンとジョナスはもともと、色んなプロジェクトに縛られていた状況から解放されて、純粋に楽しむために音楽を作ろうという気持ちになっていたんだ。そこで生まれたのが「I’m a Dreamer」で、この曲にはなにか可能性がある、という感触があった。何人かのシンガーに歌ってもらった後、フェリシアと出会って、もうこれ以外にないというくらいのはまり方だった。最初からすごく自然に、うまく流れていったよ。
バンド名の由来
-yabori:“The Parade”という名前には、何かが前へと進んでいく感覚があります。この名前にたどり着いたいきさつと、それがアーティストとしてどんな意味を持つのか教えてください。
この名前は、好きなバンドの歌詞の一節から取っているんだ。前へ進む感じというよりは、“The Parade”の脇に立って眺めているような、夢見心地な感覚に近い。それと、ただ単調に続いていくものの流れにはまり込んでしまう、という感覚もある。“そろそろパレードを抜け出す時間だ”みたいなね。
役割分担と演奏パート

フェリシアはストックホルムからかなり離れたところに住んでいるから、ジョンとジョナスがまず楽器のバックを作っておくんだ。全員でスタジオに集まったときに何もないと困るから、素材を用意しておくわけ。フェリシアがスタジオに来てから、一緒にボーカルのアイデアを出し合って、音楽的な部分を調整したり、追加のパートを録音したりしていく。制作の過程で全部が自然に形を変えていく感じで、最後のミックスの段階になっても、何かを足したり引いたりすることがあるよ。
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