最終更新: 2020年5月6日
音楽だけでなく、ファッションでも注目を集める、ブルックリン発アートシーン育ちのロックバンド、Sunflower Bean(サンフラワー・ビーン)。
Sunflower Beanが奏でる『Human Ceremony(人間の儀式)』とは一体何なのか?
また、“アブラカタブラ”の呪文を唱えて植えたヒマワリの種は、果たしてどんな花を咲かせるのか!?
目次
インタビュー
アーティスト:ジュリア・カミング(Vo,B)、ニック・キヴレン(Vo,G)、ジェイコブ・フェーダー(Dr) インタビュアー:桃井かおる子 翻訳:木下トモ
-Sunflower Bean(サンフラワー・ビーン)を直訳すると“ひまわりの種”になりますが、なぜこの言葉をバンド名にしたのか、そしてその由来について教えて下さい。
ニック・キヴレン:ある日、その名前がふと頭に浮かんだんだ。その言葉には、アブラカタブラの呪文と同じように魔法のような響きがあって。僕はその響きがとても好きで、頭から離れなくなったんだ。
メンバーについて
-Sunflower Beanのメンバーの皆さんがどのようにして出会ったのかなど、バンド結成のいきさつについて詳しく教えて下さい。
ニック:僕らは2013年のブルックリンのDIYシーンの中で出会ったんだ。ジェイコブと僕はその当時、高校で組んだTurnip Kingっていう他のバンドにいたんだ。Turnip Kingはその時のジュリアのバンドのSupercuteと一緒に演奏する機会があって。僕らは皆で連絡を取り合うようになった。ジェイコブと僕がSunflower Beanを始めるとき、ベースを弾いてくれるメンバーを探してて。僕らはジュリアのバンドが終わるって聞いたから、ジュリアにお願いして、彼女にバンドに入ってもらったんだ。そうしてすべてが整ったんだ。
-Sunflower Beanの特徴は、ジュリアさんとニックさんが二人で一緒に歌っているということが挙げられると思います。例えばビ-トルズで言うとジョンとポ-ルといった、ツインボ-カルを取っているバンドはよくいると思います。しかし、二人が一緒になって歌っているバンドは珍しいと思います。なぜ、このようなスタイルで歌っているのですか?
ニック:僕らにとって二人ともが歌うことは、バンドとしてのアイデンティティの一部なんだ。デュエットしたり、一緒に歌ったり、色々な歌い方で二人の新しいコンビネーションを作りだすのが面白いんだ。
-メインボ-カルのジュリアさんの歌声は透明感があって、とても不思議な印象を受けました。ジュリアさんがボ-カリストとしてお手本としている歌手はいますか?また、そのア-ティストから具体的にどのような影響を受けていますか?
ジュリア・カミング:私の大好きなシンガーはジョニ・ミッチェル。彼女の声の素晴らしさにはゾクゾクする。BBCで放送された彼女が「California」を演奏したときのビデオをいつも見ていて、そのたびに泣きたくなるのよ。彼女はとても表現力があって、尊敬してる。
-『Human Ceremony』はどの楽曲も一つ一つの音に余韻があって、楽器の音や歌声の質感が心地良く感じられました。音作りに関してこだわったことはありますか?
ジェイコブ:僕らはスタジオに入る前に、アルバムの曲が確かにこれだって思えるものになるまで、曲を作って、演奏して、たくさん聴いたんだ。特にハーモニーやギターの音に拘ったよ。
-ミディアムテンポやスロ-ナンバ-が多く収録されている中、先行シングルの「Wall Watcher」はパンク色の強い曲だと思います。この曲に関して、どのようなアプロ-チで作られたか詳しく教えて下さい。
ジェイコブ:「Wall Watcher」はかなりかっこよくて、挑戦的なライブソングになったと思う。アルバム用に少し変化のある曲を入れたかったんだ。アップビートなサビの部分とシンプルでそぎ落とされたその他の部分のコントラストがあるのがかっこいいんだ。
『Human Ceremony』の意味
-今回のデビュ-アルバムのタイトルである『Human Ceremony』には、どのような意味が込められているのでしょうか?
ジェイコブ・フェーダー:ありとあらゆることは人間の儀式だから。コーヒーを飲むこと、犬を連れて散歩すること、食べること。こういうすべてのことが人間の儀式ってことを思ったんだ。
-『Human Ceremony』というタイトルの他に、アルバム名の候補としてどのようなものが挙がっていたのでしょうか?また、なぜ今作のタイトルを選ばれたのでしょうか?
ジェイコブ:「Human Ceremony」はこのアルバムの最初の曲だし、僕らはこの曲がアルバムの雰囲気を物語ってると感じたんだ。だから、この曲がアルバムタイトルになることも、ごく自然なことだと思えたんだよ。
ルーツ
-『Human Ceremony』を聴いた印象として、The Smithsの影響がかなり色濃く感じられました。バンドがル-ツとしているア-ティストやアルバムについて詳しく教えて下さい。また、そのア-ティストや作品から具体的にどのような影響を受けているのでしょうか?
ジェイコブ:もちろんスミスも大好きだよ。ロックが好きな人なら、たくさんのイギリスのバンドを好きな確率は高いよね。僕らはThe Cure, Led Zeppelin, Black Sabbath, The Whoも大好きだし、最近ならUnknown Mortal OrchestraやConnan Mockasinも好きだよ。素晴らしいアーティストが多すぎて挙げきれないな。僕らは大体、おとなしく列にまっすぐ並ぶような感じにはちょっと飽き飽きしてて、冒険をしたいし、自分たちのひらめきを一つにまとめて、新しいものを作り出していきたいと思ってるんだ。
-ジュリアさんは、バンド以外にもSAINT LAURENTのモデルとしても活躍されています。モデルとしての表現方法と音楽における表現方法に共通する点などはありますか?また、モデルで表現していることをバンドやその音楽にどのようにして活かしていますか?
ジュリア:モデルは見せるものだし、ライブで演奏するのも見せるもの。でも私たち皆で作った音楽を演奏することや、自分たちの作品や音楽を人前で演奏することは、いつも私の心の中にあることなの。モデルをすることもまた、素晴らしく感動的な芸術を作ることでもあるの。フィールドが違うのよ。
-今回のアルバム『Human Ceremony』を、どのような人に聴いてほしいと思いますか?
ジェイコブ:もし、特定のリスナーを選ぶとすれば、十代かそれより若い子達かな。音楽は僕らにとって成長している過程でとても重要なもので、若い頃や10代の頃に聴いた音楽は、人生を通じて影響を与え続ける可能性があると思う。僕らがこのレコードを作った時も10代だったし、たくさんの10代の人達がある意味で、このレコードに共感できるんじゃないかなと思うんだ。
-最後に日本のファンへメッセ-ジをお願いします!
ジェイコブ:日本に行くのがとっても楽しみだよ。近いうちに会いにいくよ。
リリース
『Human Ceremony』
収録曲:
01. Human Ceremony
02. Come On
03. 2013
04. Easier Said
05. This Kind Of Feeling
06. I Was Home
07. Creation Myth
08. Wall Watcher
09. I Want You To Give Me Enough Time
10. Oh, I Just Don’t Know
11. Space Exploration Disaster
来日公演
サマーソニック2016
2016年8月20日(土)、21日(日)
東京会場: QVCマリンフィールド&幕張メッセ
大阪会場: 舞洲サマーソニック大阪特設会場
プロフィール
NYブルックリン出身の3ピース・ロックバンド。メンバーはジェイコブ・フェーダー(Dr)、ジュリア・カミング(Vo,B)、ニック・キヴレン(Vo,G)。
15年、自主盤EP『Show Me Your Seven Secrets』、シングル「I Hear Voices/ The Stalker」を<Fat Possum>から発表。
フロント・ウーマンのジュリア・カミングがSAINT LAURENTのモデルとして起用され、ランウェイ・デビューを果たすなど、
アルバム・リリースを前に、音楽シーンのみならずファッション界からも大きな注目を集めることとなる。
15年11月には早くもザ・ヴァクシーンズ、パーマ・ヴァイオレッツらと共にUKツアーを敢行。
16年3月、全世界待望のデビュー・アルバム『ヒューマン・セレモニー』をリリースし、同年8月のサマーソニックでは初来日を果たした。
17年末には新たに<Mom + Pop>と契約し、翌18年4月、2年ぶりとなる新作『トゥエンティトゥー・イン・ブルー』をリリース。
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