最終更新: 2026年8月7日
刺激を受けるアーティストたちとビジュアルへのこだわり
-滝田:また、最近意識しているバンドやアーティスト、あるいは刺激を受けたり共感しているバンドやアーティストがいれば教えてください。
全員:フィラデルフィアのMannequin PussyとNYとロンドンを拠点に活動するear、そしてロンドンのRIP Magicです。
-滝田:あなたたちのアーティスト写真を確認していると非常にスタイリッシュな印象でとてもクールです。このあたりはあなたたちが所属するフィクション・レコードの先輩であるThe CureやThe Horrorsとも通ずるものを感じたのですが、ビジュアル面で意識していることや確立されたコンセプトなどはあるのでしょうか。
Lola:特に作り込んだイメージはありません。実際、私たちは全員違うバンドから来たみたいだと言われることもよくあります。ただ、アルバムには意識的なテーマがあります。ジャケットは若い人の寝室、おそらく実家にある子ども時代の寝室をイメージしています。部屋の中にはアルバムの各曲に対応するアイテムが置かれていて、ちょっとしたイースターエッグになっています。
デビューアルバム『Cannonball』に込めた想い
-滝田:ここからはデビューアルバム『Cannonball』について、お聞きします。タイトルとなっている『Cannonball』にはどのようなフィーリングやバイブスが反映されているのでしょうか。
Emmie:私たち全員が今、成人して間もない時期にいることを考えると、これらの曲の大半はここ数年で経験したことや出会った人々についてのものだと思うので、全体的にどこかノスタルジックで内省的なトーンがあると思います。「Something Else to Give」「Canyons」「Still Angry」はより痛切な曲で、「The Thing」と「Get Up and Dance」はより挑戦的な曲、「Lighter」と「Nosedive」は苦味を含んだ安らぎの瞬間を表しています。
-滝田:今回のアルバムは全体的にチェンバー・ロック的なフィーリングで調和がとれていて格調高い印象を受けましたが、その格調高さを壊すような武骨さも兼ね備えていて、まさに『Cannonball』だと感じ、そこに一番の興奮を覚えました。今回のアルバムを制作するにあたって、どのようなアイデアの交換や意見交換があり、制作を進められたのでしょうか。
Clio:このアルバムを作ることで、バンドのサウンドスケープの中で自分の楽器をどう配置するかを本当に学びました。バンドのヴァイオリニストとして、バンドメイトが書く歌詞をよく聴いて、その感情に寄り添うために5弦のエレクトリック・ヴァイオリンでのハーモニーやメロディで表現するようにしています。
ソングライティングと歌詞づくりの哲学
-滝田:ソングライティングについて教えてください。テンションがドラマチックにクレッシェンドしていく展開に統一性を感じつつも、それぞれの楽曲でピアノやバイオリン、ギターが代わる代わる主役になる場面があり、色とりどりの印象を受けました。まるで複数のソングライターがいるかのようにも感じたのですが、音楽を作る際に意識されたのはどのようなところだったのでしょうか。
Emmie:他の人たちと一緒に音楽を作る素晴らしさは、他の5人分の頭脳も加わってソングライティングを進められることです。私たちはほとんど常に一緒に曲を書いていて、ゼロから作ることもあれば、誰か一人のアイデアの骨組みから始めることもあります。このアルバムでは、一緒に演奏し、書くことへの意識がとても大きく進化したと思います。お互いの強みを理解し、それをどう活かせば自分たちが本当に誇れる音楽を作れるかがわかるようになり、互いのためにスペースを残す価値にも気づきました。スタジオに入る前に、アルバムの中でも重めのロックな曲をいくつか書いて、プロデューサーのマーゴに聴かせたところ「すべてが壮大だと、何も壮大じゃなくなる」と言われて、少し立ち止まり、アルバム全体で高低差をどう作りたいかをもっと考えるようになりました。
-滝田:今回のアルバムでもっともMan/Woman/Chainsawらしい楽曲とらしくない楽曲をそれぞれあげるとすればどれですか? 理由も教えてください。
Clio:「Canyons」です! Man/Woman/Chainsawと『Cannonball』両方の二面性が表れています。繊細で心からの憧れが、やがて爆発するような、増幅されたいら立ちへと転じていきます。恋というのは、時々つらいものですよね!
-滝田:Vera Leppänenさんはかつてレナード・コーエンの歌詞に影響を受けていたそうですが、リリックについてはどのような意識を持って制作されているのでしょうか。
Vera:歌詞を書く人はみんな、多かれ少なかれレナード・コーエンの影響を受けていると思います。それも当然のことです!私にとって作詞は、とても満たされる作業になることもあれば、ドリー・パートンが言うような“神がかり的”な感覚になることもあります。逆に、ものすごく大変な、いろいろな作詞のエクササイズを試してようやく何かにたどり着くような時もあります。それが現実です。基本的にはインスピレーションを待つことが多く、あまり効率的な方法ではないので、きちんと仕事として向き合い、作詞のテクニックに頼る必要があると思っています。パット・パティソン的な手法もしっかり使います。バンドでいることは作詞にとって大きな助けにもなります。いつも一緒に編集してくれる人がいて、複数の視点があることが救いになることも多いです。
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