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最新作『Win Win』へのこだわり

Win Win

ポーチに集まって演奏するような温かさ

-わきき:今作『Win Win』を聴いて、時にカントリーを感じさせるような、アコースティック楽器の温かみを大切にした作品という印象を受けました。また、大部分をライブ録音し、部分的にテープ録音を取り入れたというお話からも、今作でのサウンドを追求する明確な意図を感じました。『Win Win』を制作するにあたって、フェンさんが掲げていたテーマや、目指していたサウンド・作品像について教えてください。

Fenne Lily「Stranger Things」(Official Video)
4thアルバム『Win Win』収録

フェン:温かく、広がりのあるサウンドにしたかった。アルバムの根底にあるテーマとは対照的なものにね。テーマそのものはもっと冷たく、孤独な喪失感や、確かな足場を見つけようともがく感覚だったから。
ここ数枚のアルバムでは、バンドで一緒に演奏して録音する方法を選んでる。アレンジに生まれるエネルギーが好きだし、時折起こるミスが曲を思いがけない方向へ導いてくれるのも好きなの。
レコーディングの日にはよく、「みんなでポーチに集まって演奏しているところを想像して」と伝えていたよ。無機質なものにはしたくなかったし、空っぽな感じにもしたくなかった。
たくさんの糸が織り合わさって、厚みがあり、豊かで、力強いものを作りたかったんだ。
みんなが「カントリーっぽさ」を感じ取ってくれるのは面白いなと思う。きっとバンジョーのせいなんだろうね。
私はバンジョーって、本当に感情を揺さぶる楽器だと思ってる。軽やかなのに、同時に心が沈むような響きも持っているから。
たぶん、私が目指していたのもそういう感覚だったんだと思う。

大切にしている「誠実さ」

-わきき:フェンさんの落ち着いて囁くような歌声が、時に感情の昂りとともに少しずつ力強さを増し、それに呼応するように、地面を踏みしめる足取りにも迷いがなくなっていく。そんな滑らかで確かな変化の瞬間がとても好きです。こうした歌声の表現において、フェンさんが大切にしていることはありますか?
フェン:誠実さ!
歌詞がどのように歌われるかによって、より信じられるものになるように、声のトーンが歌詞を支えている必要があるの。
特に今回のアルバムは、時間の経過や、受け入れるまでの段階を進んでいくことと強く結びついていると感じてた。だからボーカルも、その過程を描き出し、明確な感情と感情の間を行き来する必要があったの。
テーマの面で、より自信に満ちた曲もあれば、確信が持てない曲もある。怒りから生まれた曲もあれば、ただ「何かが違っていたらいいのに」と願うだけの曲もある。
それぞれの感情に合わせて、歌い方も変えなければならなかった。
少なくとも私自身には、それができていると感じているよ。
ボーカルのレコーディングは、私にとってとても強烈な時間なの。創作のプロセスの中で最も個人的な段階だから、自分の感覚に完全につながっていると感じるためには、いつも一人きりでいる必要がある。
夜に、一人でね。

Fenne Lily「Sleeping」(Official Video)
4thアルバム『Win Win』収録

タイトル『Win Win』に込めた意味

-わきき:アルバムタイトル『Win Win』には、フェンさんにとってどのような意味が込められていますか?
フェン:両親と電話で話しながら、均衡にたどり着いたように感じられる言葉を考えていたの。何かが終わりを迎え、決着がついたと感じられるような言葉をね。
「Win Win」には、終わりに対してポジティブな見方を与えてくれる響きがあった。それは、アルバム全体を通して私が求めていたものだったの。
双方が望んでいたものを手に入れ、同じだけ得るものがあり、失うものもあった。
そして以前よりも、それぞれにとって納得のいく場所にたどり着いた。

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