最終更新: 2021年9月11日

UKロックを体現するアーティスト、Miles Kane(マイルズ・ケイン)。

Arctic Monkeysのアレックス・ターナーとのデュオThe Last Shadow Puppetsや、MuseやBlurのメンバーとのコラボなど、今やUKロック界を語る上で欠かせない存在になりつつある。

この記事ではMiles Kaneについて紹介するとともに、「Can You See Me Now」と新曲「Don’t Let It Get You Down」を掘り下げている。

UKの音楽史に名を刻むMiles Kaneとは一体何者なのか。

Miles Kaneとは

Miles Kane(マイルズ・ケイン)
撮影:Lauren Luxenberg
Miles Kane(マイルズ・ケイン)はイギリス出身のシンガーソングライター。

幼少期よりサックスやギターを習い始め、母方の従兄弟であるThe Coralのジェイムス・スケリーとイアン・スケリーから音楽の影響を受けて育った。

2004年、18歳の時にThe Little Flamesにギタリストとして参加。

The Little Flames解散後、The Rascalsでヴォーカル/ギターを務めるが、2009年に解散を発表。

同時期の2007年、親友であるArctic Monkeysのアレックス・ターナーと共にThe Last Shadow Puppetsを結成。

その後、ソロ名義であるMiles Kaneとしてデビューアルバム『Colour of the Trap』(2011)をリリースし、セカンドアルバム『Don’t Forget Who You Are』(2013)、サードアルバム『Coup de Grace』(2018)を発売。

2020年にはMuse、Blur、Jet、The Zutons、Nine Inch Nailsなどの豪華メンバーが集結したThe Jaded Hearts Clubとしても活動を開始。

そして、2022年1月21日にフォースアルバム『Change The Show』をリリースする。

Miles Kaneの新曲

Arctic Monkeysのアレックス・ターナーの親友でもありライバルでもある、Miles Kane(マイルズ・ケイン)からロックンロールな新譜が発表された。

ロックンロールからバラード、そしてシングアロングなポップまで。

クラシックさを大切にしながらもMiles Kaneの個性がふんだんに注がれたテイストで知られる彼の楽曲について紹介していく。

Can You See Me Now

Miles Kane(マイルズ・ケイン)の「Can You See Me Now」は2019年に発売されたシングル曲。

「Can You See Me Now」は、UKロックの遺伝子を受け継いだギターリフが光るキラーチューンだ。

Miles Kaneはライブでビートルズの「Hey Bulldog」を何度もカバーしており、今回のリフは「Hey Bulldog」に登場するロックンロール・ブギースタイルのギターリフを彷彿とさせる。

メロディーを重視する日本の音楽カルチャーとは異なり、“ギターリフも一つの立派な音楽である”とするイギリスの音楽精神を体現したのが「Can You See Me Now」である。

Don’t Let It Get You Down

Miles Kane(マイルズ・ケイン)の新曲「Don’t Let It Get You Down」は4作目となるアルバム『Change The Show』の先行シングル。

かつてのUKロックを踏襲した伝統的な音楽性から一転、コンガやサックスを使用した70年代ソウルやモータウンを彷彿とさせる音楽性にシフトした。

Arctic Monkeysのアレックス・ターナーとのデュオであるThe Last Shadow Puppetsでは、60年代のバロック・ポップなどにも影響を受けているが、そこで培ったオールディーズのノウハウが「Don’t Let It Get You Down」に昇華されている。

映画『007』シリーズのテーマ曲「James Bond Theme」にも通じる、英国紳士の洗練された佇まいと色気を身に纏った一曲。

Miles KaneがUKロックの申し子となった理由


Miles Kane(マイルズ・ケイン)は現在のUKロックを最も体現しているアーティストの一人である。

Arctic Monkeysのアレックス・ターナーを始め、Museのマシュー・ベラミやBlurのグレアム・コクソンとのコラボを経験し、“アーティストに尊敬されるアーティスト”としての地位を確立した。

古典的なUKロックに始まり、グラムロック、そしてソウルにモータウンと、音楽の地平線を広げ続ける貪欲な探究心と圧倒的なカリスマ性で、今やUKロックの歴史を語る上で欠かせない存在となりつつある。

未来に語り継がれるであろうMiles Kaneの音楽史を、今体感して欲しい。

Miles Kaneのリリース作品

Miles Kane(マイルズ・ケイン)はこれまでに3枚のアルバム作品をリリースしており、2022年1月21日に4枚目のアルバム『Change The Show』のリリースを予定している。

4thアルバム『Change the Show』

発売予定日: 2022/1/21
収録曲:
1.Tears Are Falling
2.Don’t Let It Get You Down
3.Nothing’s Ever Gonna Be Good Enough(Feat. Corinne Bailey Rae)
4.See Ya When I See Ya
5.Never Get Tired of Dancing
6.Tell Me What You’re Feeling
7.Coming Of Age
8.Change The Show
9.Constantly
10.Caroline
11.Adios Ta-ra Ta-ra
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シングル『Can You See Me Now』

発売日: 2019/6/12
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3rdアルバム『Coup De Grace』

発売日: 2018/8/10
収録曲:
1.Too Little Too Late
2.Cry On My Guitar
3.Loaded
4.Cold Light Of The Day
5.Killing The Joke
6.Coup De Grace
7.Silverscreen
8.Wrong Side Of Life
9.Something To Rely On
10.Shavambacu
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2ndアルバム『Don’t Forget Who You Are』

発売日: 2013/6/3
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1stアルバム『Colour Of The Trap』

発売日: 2011/5/6
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Miles Kaneプロフィール

Miles Kane(マイルズ・ケイン)
撮影:Lauren Luxenberg

“1986年イングランド出身。2004年、18歳の時にリトル・フレイムスにギタリストとして加入。アルバムを1枚レコーディングした後バンドは解散し、メンバーだったJoe Edwards、Greg Mighallと共に2007年ザ・ラスカルズを結成し、2008年にファースト・アルバム『Rascalize』をリリースする。一方、2007年にバンドがアークティック・モンキーズのツアー・サポートをした際マイルズとアレックス・ターナーが意気投合しサイド・プロジェクトとしてザ・ラスト・シャドウ・パペッツを結成、2008年にファースト・アルバム『The Age of the Understatement』をリリースすると全英1位の大ヒットとなり一躍メジャー・アーティストの仲間入りを果たす。2009年ザ・ラスカルズを脱退しソロ・アーティストとしてのキャリアをスタート、2011年にファースト・ソロ・アルバム『Colour of the Trap』(全英11位)、2013年にセカンド・アルバム『Don’t Forget Who You Are』(全英8位)をリリースした。2016年にはザ・ラスト・シャドウ・パペッツのセカンド・アルバム『Everything You’ve Come to Expect』をリリースし再び全英チャート1位を獲得した。”

引用元:Miles Kane(マイルズ・ケイン)プロフィール(HMV)

Miles Kane代表曲

  • Miles Kane(マイルズ・ケイン) – Can You See Me Now
  • Miles Kane(マイルズ・ケイン) – Don’t Let It Get You Down (Official Video)
  • Miles Kane(マイルズ・ケイン) – Rearrange

ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)
Rio Miyamoto
BELONG Mediaのライター/翻訳。

高校卒業後18歳から23歳までアメリカのボストンへ留学し、大学ではインターナショナルビジネスを専攻。

13歳よりギター、ドラム、ベースを始める。

関西を拠点に活動するサイケデリック・バンド、Daisy Jaine(デイジー・ジェイン)でボーカル/ギターと作詞作曲を担当。

2017年10月、全国流通作品である1st EP『Under the Sun』をDead Funny Recordsよりリリース。

2021年2月、J-WAVEのSONAR MUSICへゲスト出演。

普段はサイケデリック、ソウル、ロカビリーやカントリーを愛聴。趣味は写真撮影、ファッション、映画鑑賞。

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