最終更新: 2026年5月21日

音楽的ルーツと影響


-わきき:Thee Marloesの音楽的ルーツについて教えてください。特に大きな衝撃を受けたアーティストや楽曲、現在の音楽性の核となっているもの、そしてインドネシアのローカルな音楽や過去の作品から受けている影響があれば教えてください。また、それらが現在のサウンドのどのような部分に現れていると感じますか?

シナトラ:レゲエやロックステディをよく聴くんだ。60年代のレコードからラバーズロック、最近のデジタルダブまで幅広くね。最近はブラジルやアフリカのアーティストもよく聴いている。インドネシアのアーティストで特に影響を受けたのはChrisyeだよ。インドネシア語でより直接的に、より誠実に歌詞を書くことに対して自分が持てている安心感の一部も、彼のおかげだと思っている。いつも驚かされるのは、60年代から70年代のアルバム、ソウルでもポップでも、ファンクでもサイケデリックでも、テクノロジーが今とは比べものにならないくらい限られた環境で作られたものが、これほど美しくて親密な、まるでミュージシャンと同じ部屋にいるような音をしていることなんだ。その感覚を、Thee Marloesのすべてのアルバムに持ち込みたいといつも思っている。

スラバヤの音楽シーン


-わきき:スラバヤを拠点に活動されていた中で、ローカルの音楽シーンはどのような状況でしたか?その中で、Thee MarloesのソウルやR&Bを追求したサウンドは、ローカルシーンの中でどのような立ち位置にあると感じていますか?

シナトラ:スラバヤの音楽シーンは実はすごく多様でね。インディーポップ、ハードコア、ポストパンク、ガレージロックまで、ジャンルごとにコミュニティがあって、今も継続的に新しい音楽が生まれているよ。ただ、クラシックなソウルや60年代のR&Bといったサウンドに関しては、当時スラバヤにそういう音楽をやっているバンドは正直あまりいなかった。“スラバヤ・ソウル・ギャング(Surabaya Soul Gang)”というDJコレクティブがあって、彼らはクラシックソウルやローライダーソウル、ノーザンソウルを街に紹介し続けているよ。

2ndアルバム『Di Hotel Malibu』について


-わきき:今作では、「Under the Silver Moon」から始まる心がゆっくりと滲んでいくような空気感と、タイトル曲「Di Hotel Malibu」からも、時間がほどけていくような海辺の情景や、旅先での穏やかなひとときが浮かびます。アルバム全体を通して意識されていたテーマやコンセプトがあれば教えてください。また、前作『Perak』からの変化についても聴かせてください。

シナトラ:もしかしたら、ツアーが増えてきた後に作ったアルバムだからかもしれない。サウンドチェックの最中や移動中に偶然生まれたリフが多くてね。だから、アルバムの雰囲気が自然とその旅の中で感じていたものを映し出しているんだと思う。『Perak』のときは、野心もあったけど迷いも多かった。これは良い音になるのかとか、あるリファレンスに引っ張られすぎることもあった。でも『Di Hotel Malibu』では、あまり自分たちを縛らないようにしたんだ。自由に探求して、頭の中にあるものをそのまま出していこうという感じで。

言語と表現


-わきき:Thee Marloesの音楽では、英語とインドネシア語が自然に織り交ぜられています。言語の使い分けや組み合わせによって生まれるニュアンス、たとえばリスナーとの距離感や感情の伝わり方について、制作においてどのような意識やこだわりを持っていますか?

シナトラ:自分たちにとって言語は、感情やメッセージを届けるためのひとつの手段でしかないんだ。誠実に表現できていれば、どの言語を使っても、リスナーは自分たちが感じているものを受け取ってくれると思っている。

次のページこちら ⏩️