最終更新: 2026年3月2日
沖縄出身のソロユニット、ハクブンゴウが2015年9月にリリースしたデビュー作『交差点EP』が、リリース10周年を機にBELONG Media / A-indieのYouTubeアカウントで再公開された。
極めてローファイな宅録環境から生まれた全5曲は、はっぴいえんどを思わせる昭和的な日本語詩と、ヒップホップ由来のループビートが奇妙に共存する、どこにも分類しにくい作品だ。
長らくオンラインで聴けない状態が続いていたが、アーティスト本人からの依頼をきっかけに今回の再公開が実現した。
今回は初めて全曲の歌詞も公開しており、歌詞はYouTubeの説明欄に掲載している。
また、本作はBELONG Media / A-indieのDiscordコミュニティで先行試聴を行った。メンバーから届いたコメントは記事の最後で紹介している。
ハクブンゴウとは

ハクブンゴウは沖縄出身のソロユニット。2015年に宅録EP『交差点EP』をリリース後、翌2016年にP-VINEよりCD『彼がいうには』を発表した。
その後は本職(副業禁止の職場)の都合で商業的な音楽活動から離れ、琉球古典の三線学習やヒップホップのビート制作を個人的に続けてきた。
ジャンルや言語の問いを真剣に抱えながら、日本語音楽の”ルーツ”を探し続けている音楽家だ。
『交差点EP』

本作はリサイクルショップで購入した2,000円のアコギと1万円のマイク、インターネットに繋がっていない古いパソコンという、極めて制約の多い環境で制作された。
タイトルの”交差点”は、楽曲が交錯するイメージと、大学時代に何度か訪れた東京旅行の記憶という二つの意味を重ねたものだ。
都会の生活を”勝手なイメージで描く”というスタンスは、歌詞に登場する喫茶店、零時、嘘、退屈といった言葉にも表れている。
ただしそれらの言葉は否定的ニュアンスを帯びておらず、どこか飄々とした距離感が貫かれている。
ビートルズの中期作品、ブライアン・アダムスのアンプラグド・ライブ、そしてASIAN KUNG-FU GENERATIONの『崩壊アンプリファー』
以前のインタビューで明かしてくれた、これら3つのルーツが示す通り、ハクブンゴウのソングライティングは”ポップであること”を核に置きながら、幅広い音楽を消化してきた。
『交差点EP』に寄せて
近日中に公開予定の10周年インタビューのなかで、ハクブンゴウはこのEPについて“やっぱりいいな”と改めて感じたと語っている。
ローファイであること自体が今となっては魅力であり、宙に浮いたままにしておくのがもったいないと思い、BELONG Media / A-indieに連絡して公開を依頼したという。
また、初めて全曲の歌詞も公開しており、歌詞はYouTubeの説明欄に掲載しているので、こちらもぜひチェックして欲しい。

【インタビュー】SNS全盛期の現代において、一切のアカウントが存在しない正体不明の音楽家 ハクブンゴウとは?

【インタビュー】ハクブンゴウ、『彼がいうには』
Discordコミュニティでの先行試聴

BELONG Media / A-indieが運営するDiscordコミュニティでは、信頼できるメンバーのみに限定した先行試聴を実施している。
Discordという制限されたコミュニティの特性を活かし、公開リスクを最小限に抑えながら参加者と密接なやりとりを重ねている。
コミュニティメンバーから、下記のようなコメントが届いた。
私も「有能」の歌詞と同じことを思っています
昭和の喫茶店に迷い込んだような、懐かしいのに初めて聴く不思議な感覚
めちゃくちゃローファイなのにメロディがしっかり残る。聴いた後に口ずさんでいる自分に気づいた
4曲目で突然リズムが変わるのに驚いた。でも不思議と違和感がない!
ぜひあなたも本作を聴きながら、都会と沖縄のあいだを漂うような、ハクブンゴウだけの日本語音楽に触れてみてほしい。
リリース詳細
『交差点EP』

リリース日:2015年9月20日(初出)
YouTube再公開:2026年3月2日(月)
レーベル:自主制作(再公開:BELONG Media / A-indie YouTube)
収録曲:
1. 嘘並べ (Uso Narabe)
2. 夜更けにダンス (Yofuke ni Dance)
3. 有能 (Yuunou)
4. ラマーのように(Lamar no yooni)
5. まっさら (Massara)
YouTubeで聴く
『彼がいうには』

発売日:2016年6月2日
形態:CD
品番:PCD-4636
レーベル:P-VINE
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ハクブンゴウ プロフィール

沖縄出身のソロユニット。名前の由来は”文豪”を中国風にアレンジしたもの。2015年に宅録EP『交差点EP』をリリース後、P-VINEよりCD『彼がいうには』(2016年)を発表。その後10年間は本職に専念しながらも、琉球古典三線の学習やヒップホップのビート制作を続けた。2026年、10周年を機に再始動。日本語フォークと沖縄音楽という二つの軸を持ちながら、自分にとっての”日本語のメロディーの正解”を静かに探し続けている。











