最終更新: 2026年8月28日
真っ直ぐに人を見つめる眼差しの中に、これまでどれだけたくさんの世界を映してきたのだろう。
そして、いくつの「本物」と「そうじゃないもの」に出会ってきたのだろう──そう思った。
イギリス・マンチェスターからやってきたギターバンドの新星、The Guest List。
2021年に当時の同級生5人で結成されたこの若きバンドは、SNSに投稿した数々のカバー動画を通して注目を集め、瞬く間に熱心なファン層を築き上げた。
ギターの音が叫ぶように形を歪めながら引き連れてくるロックサウンド。それはキャッチーなメロディと絡み合いながら、どこか陰りのある寂しさも落としていく。
正直に言えば、洋楽の入口がUKロックだった身からすれば、かなりの大好物である。
個人的な話をするが、初めて聴く音楽には、ワクワクする気持ちと同時に、少しばかりの「聴くための努力」が必要だと感じることがある。
未知の音に耳を慣らし、その音楽が持つ魅力を掴むまでに、少し時間がかかるのだ。
けれど、The Guest Listの音楽は違った。
初めて聴くのに、耳が抵抗することなく受け入れてしまう。かといって、ただ「親しみやすい」という言葉だけでは片付けられない。
その奥には、確かなギターロックサウンドと、彼らが大切にしているバンドとしての矜恃が息づいている。
気づけば中盤にはもう、「この曲、好きだ」と思ってしまう、そんな抗いがたい魅力があるのだ。
「誰でもThe Guest Listの音楽を好きになれる」という言葉に、まんまと頷いてしまった。
今回、サマーソニック出演のための来日を機に、フロントマンのカイ ・アルティ(Vo./G.) に対面で話を聞いた。
しっかりと言葉を選び、筋道を立てながら話す姿からは、彼の思慮深さが伝わってきた。
その頭の中にはきっと、たくさんの言葉や感情が溢れているのだろう。
自分を取り巻く環境や、世界で起きている出来事を真っ直ぐに見つめ、考える。
そんな彼自身のひたむきな想いが、揺るぎのないソングライティングを支えているのだ。
8月28日にリリースされるデビューアルバム『Something Real』について、そしてThe Guest Listが大切にしていることについて、カイ自身の言葉にぜひ耳を傾けてみてほしい。
きっと、彼らを単なる「イギリスからやってきた新しいバンド」として捉えるだけでは惜しいほど、その音楽と彼らの姿勢に心を掴まれるはずだ。
なぜならあなたもきっと、“Right Audience(届くべき人)”の一人だから。
The Guest listインタビュー

アーティスト:カイ・アルティ(Cai Alty | Vo./G.)
インタビュアー:わきき
通訳:竹澤彩子
撮影:テッド・オルセナド(Ted Orsenado)
編集・校正:BELONG Media / A-indie
初めての日本、そしてバンド名の由来
The Guest List「Weatherman」(Official Video)
デビューアルバム『Something Real』収録
日本で感じたこと
-わきき:まず初めに、The Guest Listはバンドとして初来日ということですが、カイさん個人としても日本へは初めてですか?
カイ:僕にとっては初めてです。日本には来たことがありませんでした。
レイオはかなり日本に来ていますね、彼のお母さんが大阪出身なので。あと、ギタリストのトムは以前一度東京に来たことがあります。でも他のメンバーにとっては今回が初めてですね。
-わきき:日本に来られていかがですか?イギリスと違うなと思ったところはありますか?
カイ:そうですね、イギリスとはかなり違います(笑)。どこから話せばいいか分からないくらい、あらゆる面で違うんじゃないかな。
でも、すごく気に入っています。食べ物もこっちの方が断然美味しいですし。うまく言えないんですけど、イギリスではなかなかないくらい何もかもがきちんと整っている感じがして。だから本当に楽しんでいます。
-わきき:日本のこの暑さは大丈夫ですか?イギリスの方が暑かったりするんでしょうか?
カイ:不思議なんですけど、今はイギリスの方が暑いんです。普段だったら東京の方がずっと暑いはずなんですけどね。
でも今回、僕らが離れたタイミングで、マンチェスターは雨も降らず、熱波が来ているみたいで。もちろん、日本が時々見せるような猛暑ほどではないですけどね。
-わきき:ありがとうございます。
ではここからは、The Guest Listというバンドについて、デビューアルバム『Something Real』について、そして皆さんが音楽を作る上で大切にしていることについて、伺いたいと思います。
「The Guest List」という名前
-わきき:まずバンド名の由来についてですが、SNSでカバー動画を投稿する際、アカウント名が必要でつけた名前で、しばらく経つと変えづらくなったとおっしゃっていましたよね(笑)。時を経た今、このバンド名はカイさん、あるいはバンドにとってどういった意味合いを持つようになりましたか?
カイ:このバンド名が僕らにとって何を意味するか……バンドにまつわる全てを表していると思います。メンバー全員、一緒に仕事をしてくれている人たち、そして僕らが共に過ごしてきた経験、そのすべてですね。
それと、みんなこの名前についていつも冗談を言うんですよ。新しく出会った人たちもそうで、ライブには当然ゲストリストがあるので、「The Guest Listのゲストリストに入れてくれる?」って聞いてくるんです(笑)。
だからまぁ、僕らがこの名前から絞り出せた意味は、それでだいたい全部ですね。
-わきき:いいですね(笑)。
5人を結びつけたもの

-わきき:次にメンバーについてですが、音楽学校での同級生だったとお聞きしていますが…
カイ:音楽の学校だったわけではなくて、ただ学校でバンドを組んでいただけなんです。
-わきき:なるほど。ではその5人を結びつけたものとは何だったのでしょうか。
カイ:一番大きいのは音楽への愛ですね。それが僕らを最初に結びつけたものだったのは間違いないです。もともとはそこまでお互いのことをよく知っていたわけではなくて、それぞれがどんな楽器を演奏しているか、程度でした。
バンド活動を通して、一緒に曲を作ったり、リリースしたり、ツアーを回ったりする中で、本当に仲の良い友人になっていったんです。
やっぱり音楽への情熱と、いろんな面での好みが共通していることが大きいと思います。

-わきき:ちなみに、メンバーが共通して好きだった、影響を受けていた音楽やアーティストはありますか?
カイ:Radiohead、Pink Floyd、The Strokesですね。この3組は僕たちにとって本当に大きな柱です。
バンドの中でも共通の好みがあって、シドとトムはよりグランジっぽい音楽が好きですし、僕とシドはもう少しフォークな方向が好きです。レイオはポストパンクが好きですね。もっと…攻撃的というわけではないけど、ギターが前面に出ているような音楽です。
みんながそれぞれ違うものを持ち寄っている感じですが、根本のところでは共通した音楽の好みと、ギターバンドへの愛があると思います。










